最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,老齢加算に基づく生活保護の給付を受けていたXらが,老齢加算の廃止等を内容とした保護基準の改定に伴い,給付額を減額する旨の保護変更決定を受けたことから,こうした保護基準の変更は生活保護法(以下「法」という。)や憲法に違反するなどと主張して,決定の...
《解 説》
1 事案の説明
本件は,偽造領収書の作成を手段とした愛媛県警察における捜査費等不正支出問題について記者会見を行った同警察警察官である被控訴人が,上司らにより違法に記者会見を妨害され,記者会見を行ったことに対する報復目的で違法にけん銃保管,配置換え及び勤勉手当の減額の処置を受け...
《解 説》
1 本件は,東京都立川市の住民である原告らが,立川市が工事を委託し東京都新都市建設公社が発注した6件の工事につき,各工事の入札参加資格を有する広域総合建設業者(ゼネコン)である被告らが談合による受注調整を行ったことにより,受注予定者とされた建設業者が不当に高い価格で落札し,立川...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 事実関係
XとAは,共有の土地(持分各2分の1)を有料駐車場として賃貸している者であるが,平成15年10月29日,Bに対し,Bとのオートローン契約(以下「本件オートローン契約」という。)に基づきYに所有権が留保されている自動車(以下「本件車両」という...
《解 説》
1 X2は,本件土地及び本件土地上の本件旧建物(以下,本件土地と併せて「本件各不動産」という。)を所有していた。Xらは,本件旧建物を解体する前提で,マンション分譲業者に本件各不動産を売却した上で,X1が当該マンション分譲業者から本件土地上のマンションの建築工事を請け負う事業を計...
《解 説》
1 本件は,被告の提供するインターネットオークションサイトを利用して,商品を落札し,その代金を支払ったにもかかわらず,商品の提供を受けられないという詐欺被害にあった原告ら(平17(ワ)1243号事件571名,同(ワ)2234号事件134名,平19(ワ)849号事件78名)が,被...
《解 説》
1 本件は,原告が,被告らと共同で執筆して医学雑誌に投稿した遺伝子組み換えマウスに関する論文(以下「本件論文」という。)について,被告らが記者会見(以下「本件記者会見」という。)を開いて,原告(氏名は伏せられていたが,容易に原告を特定できる。)が本件論文のデータの重複を一部意図...
《解 説》
1 本件は,Xが,Yの商品先物取引に関する一連の違法行為により,取引差損金及び弁護士費用の損害を被ったとして,主位的に不法行為,予備的に債務不履行に基づき,その損害賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案である。
Xは,違法行為として,①(勧誘時の)適合性原則違反,②再勧誘等の禁...
《解 説》
1 X1は,Yに勤務していたが,職場を異動した直後,執務中に小脳出血及び水頭症(以下「本件発症」という。)を発症し,重篤な障害を残した。そこで,X1及びその両親X2,X3(その後X2が死亡し,承継があった。)が,Yに対し,本件発症は,YにおいてX1を過重な業務に従事させたことが...
《解 説》
1 被告の元従業員である原告は,被告在職中に行った「半導体レーザ装置」に関する発明等,合計6件の職務発明について,特許を受ける権利を被告に承継させ,被告がそれらの発明を実施してゲーム機「プレイステーション」シリーズを生産,販売し,利益を上げたとして,被告に対し,平成16年法律第...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,被告ら両名が,原告商品(ペットボトル入りの烏龍茶である。)を示すものとして周知かつ著名な原告商品表示(別紙原告商品表示目録の写真のもの)と類似の被告ら商品表示A(別紙被告商品表示目録1記載のもの)及び被告ら商品表示B(別紙被告商品表示目録2記載のもの)...
《解 説》
1 事案の概要
レコード,CD等のインターネット通信販売業を営む原告は,原告の元従業員である被告甲が,原告を退職した後,競業会社に就職し,原告在職中に得た商品の仕入先情報(以下「本件仕入先情報」という。)を利用して業務を行っているとして,その行為が,(1)不正競争防止法2条1...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,民事執行法190条2項に基づいて執行裁判所がした動産競売の開始の許可に係る決定書正本を有する金銭債権の債権者において,当該正本が民事執行法197条1項所定の債務名義の正本に当たるとして,財産開示手続の申立てを行ったところ,これを却下した原決定に対し,上...
《解 説》
1 本件事案の概要
平成17年3月23日:破産会社X(以下「X」という。)は,有限会社Y(以下「Y」という。)と本件建物について,期間を10年間,賃料月額2100万円(前月末日支払)とする定期建物賃貸借契約を締結し,保証金として2億円を支払った。同契約には,保証金について賃借...
《解 説》
1 本件は,外国人夫婦である被告人両名が,マンションの自室において,当時4歳の我が子に対して,体罰を加えて死亡させたとして,傷害致死罪で起訴された事案である。
本判決によれば,被害児が死亡したのは平成6年10月であり,本件起訴がなされたのは平成12年7月であるが,公判において...