最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 X(妻)は,老齢厚生年金等の受給権者であったA(夫)が平成16年5月に死亡したので遺族厚生年金の支給を請求したところ,XとAは生前約7年間別居していたことなどから,その婚姻関係は実体を失い形骸化していたとして,遺族厚生年金を支給しないとの処分(本件処分)を受けたことから,本...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,東京都西多摩郡日の出町に「日の出町二ツ塚廃棄物広域処分場」(本件処分場)を建設する事業(本件事業)に反対する地域住民などの原告らが,被告東京都知事による本件事業の認定処分には,当該事業が,国土交通大臣が事業認定を行う要件を定めた土地収用法(平成13年法...
《解 説》
1 本件は,徳島県の旧木屋平村の発注する公共工事の指名競争入札に昭和60年ころから平成10年度まで継続的に参加していた建設業者Xが,同11年度同16年度の間,村長から違法に指名を回避されたと主張して,国賠法1条1項に基づき,平成17年3月の合併により木屋平村の地位を承継したYに...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,芦屋税務署長が,原告が株式を保有し,シンガポールにおいて設立された外国法人が,タックス・ヘイブン税制について定める租税特別措置法(以下「措置法」という。)40条の4第1項の「特定外国子会社等」に該当し,同条3項の適用除外規定の適用はないとして,同条1項...
《解 説》
1 本件は,Y(東京都目黒区)の区議会議員であるXが,目黒区長から,Xが平成17年度において交付を受けた政務調査費から違法又は不当な支出をしたとして,その支出の額に相当する政務調査費の返還を命ずる処分を受けたところ,上記の支出はいずれも住民訴訟の提起遂行の費用に充てたもので適正...
《解 説》
1 本件は,文化庁の監督下にある財団法人である被告の職員である原告ら3名が,解雇もしくは雇止めされたため,労働契約上の地位の確認並びに未払賃金(賞与を含む。)等の支払を求めた事案である。原告らのうち,X1は期間の定めのない労働契約であるか否か及び定年制(70歳)の適用の有無が争...
《解 説》
1 ダイエー厚生年金基金(以下「訴外基金」という。)は,厚生年金保険法145条1項1号による基金解散を決議し,解散手続を経て,平成18年6月1日に清算結了した。
解散認可時点における訴外基金の構成員は,加入員(厚生年金保険の被保険者),待期者(既に将来の年金受給に必要な加入員...
《解 説》
1 本件は,都市型立体遊園地「フェスティバルゲート」が存在する建物及びその敷地を所有している原告が,フェスティバルゲート内で飲食テナントを経営する被告との間で締結された賃貸借契約につき,被告による賃料不払等の債務不履行があったことを理由とする同契約の債務不履行解除を原因として,...
《解 説》
1 本件は,地方自治法上の地方公共団体の組合の一種である一部事務組合(第1審原告)の職員Aが,第1審原告の資金を横領して,その一部を夫である第1審被告の預金口座に振り込んだり,第1審被告に交付したりした事実関係において,第1審原告が第1審被告に対し,第1審被告が受領した金員(判...
《解 説》
1 Yら(テレビ局)は,硬貨の外観を有する奇術の道具でギミックコインと呼ばれるものの製造をした者が警視庁により貨幣損傷等取締法違反(日本国政府発行の貨幣を奇術用コインに加工して損傷したというもの。)として逮捕された事件を,テレビジョン放送によって報道した。この報道に関し,Xら(...
《解 説》
1 本件は,ローマ歌劇場日本公演におけるオペラ上演において,オーケストラの指揮者がジャンルイージ・ジェルメッティであると宣伝されていたにもかかわらず,当日指揮したのは同人とは別の格下の指揮者であったとして,公演主催者及び公演協賛者であるYらの債務不履行,消費者契約法4条1項の取...
《解 説》
1 A(一級建築士)は,Yに対し,自己所有の土地・建物(以下,合わせて「本件不動産」といい,建物については「本件建物」という。)の販売の仲介を委託しており,Xは,Bに対し,居住用不動産の購入の仲介を委託していた。X,A,Y代表者,B担当者は,本件建物(当時,Aの妹が居住)を見学...
《解 説》
1 一審被告たる被控訴人Aと被控訴人Bは,特許第2835325号(本件特許)の特許権者であるところ,一審被告である被控訴人Cに対し,本件特許につき専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約を締結したが,特許原簿に専用実施権の設定登録はなされなかった。その後,Cは,一審原告たる控...
《解 説》
1 本件は,Yが,特許庁の担当職員の過失により本件質権設定登録が受付の順序に従ってされず,本件質権の効力が生じなかったために,本件債権の回収をすることができなくなって損害を被ったと主張して,Xに対し,国家賠償法1条1項に基づき,3億3000万円(内金3000万円は弁護士費用)の...
《解 説》
本件は,被告人が同女方において自分の二男(当時3歳)に対して一連の暴行を加え,さらに,下半身裸のまま冬場約1時間ほど屋外に出して家に入れた後,来訪した当時付き合っていた男性甲と共謀の上,甲においてさらに被害児童の後頭部を床等に打ち付けるなどの暴行を加え,よって,被害児童を死亡さ...
《解 説》
1 本件は,被告人が酒気を帯びて普通乗用自動車を運転し,最高速度が50キロメートル毎時の右方に湾曲した道路を走行していたところ,自車を左斜め前方に逸走させて道路左側の電柱に衝突させ,自車同乗者2名を死亡させたという事案である。検察官は,当初,被告人が時速約100キロメートルの高...