最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本決定は,いわゆる布川事件といわれる強盗殺人被告事件に関する第2次再審請求につき,水戸地方裁判所土浦支部がした再審開始決定に対する検察官の即時抗告を棄却した抗告審の決定である。
事件の捜査経緯等は,本決定に判示されているが,昭和42年8月30日,独り暮らしをしていた当時6...
《解 説》
1 本件の本案訴訟は,Xが,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき,外務省の保有する米軍ヘリコプター墜落事故に関する行政文書の開示を請求したところ,外務大臣から,原決定別紙不開示文書目録記載の文書等(以下「本件不開示文書」という。)につき...
《解 説》
1 本件は,被相続人である預金者が死亡し,その共同相続人の一人であるXが,被相続人が預金契約を締結していた信用金庫であるYに対し,預金契約に基づき,被相続人名義の預金口座における取引経過の開示,具体的には入出金明細表の開示を求める事案であり,①金融機関の預金者に対する預金口座の...
《解 説》
1 本件は,別件の覚せい剤取締法違反で起訴されて,大阪拘置所に勾留されていた被告人(当時30歳の男性)が,同房の被害者(当時56歳の男性)に対し,居室内の折り畳み机を投げ付けて,その顔面を手けんで数回殴打するなどの暴行を加え,同人に加療約3週間を要する傷害を負わせたものとして,...
《解 説》
本件は,いずれもミャンマー国籍を有する被控訴人らが難民に当たると主張して,退去強制令書発付処分の無効確認,難民の認定をしない処分及び在留特別許可をしない処分の各取消し(①事件)を,難民の認定をしない処分の取消し(②事件)をそれぞれ求めた事案である。
原審は,いずれの事案につい...
《解 説》
1 本件は,弁護士である原告(X)が,競売入札妨害被疑事件で勾留中の被疑者(A)の弁護人として弁護活動をしていたところ,Aの取調べに当たっていた検察官副検事(Y2)において,被疑者と弁護人との間の信頼関係を破壊することを企図した言動があり,これにより弁護権を侵害されたとして,被...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,京都市に代位して,損害賠償請求訴訟を提起し,一部勝訴の判決を得た原告らが,法242条の2第7項(以下「法7項」という。)に基づき,被告京都市に対し,法7項...
《解 説》
1 本件は,原告が,租税特別措置法68条の2第1項4号に基づく,法人税にかかる同族会社の留保金課税を非課税とする特例制度(以下「本件特例制度」という。)を利用することができたのに,それを利用できず,余分な納税をしたことが,損害であるとして,税理士と会計監査法人に対して,委任義務...
《解 説》
1 Xは,Y1から,インターネットオークションで中古の米国車(以下「本件車両」という。)を180万円で購入した。本件車両は,購入直後から故障を繰り返し,Xは,総額約100万円もの修理点検費を投じたが,故障が多すぎることを不審に思い,調査した結果,メーターの巻き戻しにより,購入時...
《解 説》
1 本件は,①Xらが,武蔵野市内にあるYの所有する2階建て建物(本件建物)の近隣住民であるところ,本件建物の赤白ストライプの外壁部分(本件建物外壁部分)はXらの有する景観利益,平穏生活権を侵害すると主張して,Yに対し,本件建物外壁部分の撤去と損害賠償金の支払,②X1が,本件建物...
《解 説》
1 X(控訴人)は,貸金業者Y(被控訴人)に対し,利息制限法所定の上限の利率を超過して支払った利息(以下「超過利息」という。)を元本に充当する引き直し計算をすると過払金が発生していると主張し,主位的に不当利得(過払金)の返還を求めるとともに,予備的に,Yの違法行為(受領権限のな...
《解 説》
1 本件は,A女(成年被後見人。Y2が成年後見人である。)の子として戸籍上記載されている亡Cの子Xが,A女を養親,Y1を養子とする養子縁組の無効確認を,Y1及びY2に対して請求した訴訟である。
Yらは,亡Cは戸籍上A女の嫡出子として記載されているが,捨子をもらい受けたものであ...
《解 説》
1 本件は,①X1が,その代表取締役であったYに対し,X1の経営が厳しい状況にあるにもかかわらず,取締役としての忠実義務又は善管注意義務に違反して,X1の業務を行っていない者たちに対し,X1をして顧問料を支払わせたり,無償で社宅を提供させるなどしたことにより,X1の財産を不当に...
《解 説》
第1 事案の概要
1 甲は,乙を特許権者とする「感光性熱硬化性樹脂組成物及びソルダーレジストパターン形成方法」の特許(本件特許)につき,無効審判を請求した。特許庁が本件特許を無効とする旨の審決をしたため,乙が取消訴訟を提起したが,その後,乙が訂正審判請求をしたことから,知財高裁...
《解 説》
1 本件は,島唄などで有名なアーティストの所属する音楽事務所Xとレコード会社Yとの間で平成9年前に締結された3つの共同制作原盤譲渡契約(収録楽曲・A音源)と1つの原盤独占譲渡契約(収録楽曲・B音源)に関し,これらの本件各契約の締結後,平成9年の著作権法改正で創設されたレコード製...
《解 説》
1 Aは,自身が計画するアミューズメント施設の利用に供するために建築して所有する建物に,同建物にパチンコ店舗を出店することを目的として設立されたパチンコ業者のXをテナントとして入れることとしたが,その信用力に不安があったため,同建物のパチンコ店舗部部分の建築工事の請負人である中...
《解 説》
1 原審被申立人であり,仮処分債権者である抗告人(X)は,発明の名称を「ゼリー状体液漏出防止材及びそれを使用した体液漏出防止方法」とする特許権を有するところ,原審申立人であり仮処分債務者である相手方(Y)らが製造販売する体液漏出防止剤が上記特許を侵害するとして,製造・販売等の差...
《解 説》
1 事案の概要
抗告人は,債務者に対して有する執行力ある債務名義の正本に基づき,債務者が第三債務者である都市銀行に対して有する預金債権の差押えを求めたものであるが(以下,この申立てを「本件申立て」という。),差し押さえるべき債権としては,口座名義人,口座番号が特定された特定の...
《解 説》
1 本件は,暴力団組長の内妻であった被告人が,内縁の夫又はその関係者からガムテープで梱包された段ボール箱を預かり,実家で保管していたが,段ボール箱の中にけん銃4丁及びその適合実包102発が隠されていたため,けん銃加重所持罪で起訴された事案であり,1審,2審を通じ,被告人に加重所...
《解 説》
1 原判決が認定した犯罪事実は,被告人が,共犯者7名と共謀の上,故意に自動車による交通事故を作出し,保険会社から保険金名下に金員を詐取しようと企て,平成17年8月10日,被告人がレンタルリース会社から借り受けた普通貨物自動車を運転し,共犯者Aが運転し他の共犯者らが同乗する普通乗...