最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
本件は,いずれも高脂血症治療薬である医薬品のベザトール及びメバロチンを服用し,その副作用により筋萎縮及び筋力低下(脱力),感覚障害(四肢のしびれ),排尿障害(閉尿)並びに嚥下障害を発症したと主張している原告(X)が,医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭...
《解 説》
1 本件は,原告は,強姦致傷事件の被害に遭ったとして,米軍基地憲兵隊事務所を通じて,警察署に被害を申告したが,初動捜査に従事した警察官らは,被害者である原告の尊厳を確保して捜査を実行しなければならない義務を負っているにもかかわらず,その義務を履行せず,原告に精神的苦痛を与えたと...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,松本市の住民が,学校法人Aが所有する土地建物(本件土地建物)について,その一部に対してされた免除措置が違法であると主張してその免除措置の取消しを求めるとともに,本件土地建物の固定資産税及び都市計画税の賦課徴収を怠る事実の違法確認を求め,また,市による学...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,愛知県警察本部に勤務する長男が,地上10階建ての独身寮から落下して死亡したため,愛知県個人情報保護条例(平成16年愛知県条例第66号。平成19年愛知県条例第47号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)16条1項に基づき,愛知県警察本部長に対し,長...
《解 説》
1 本件の原告らの請求は,①原告組合の被告Y1(被告田中興業)分会分会長で被告Y1に雇用されている原告X1(原告甲野)及び原告組合の被告Y1に対する請求と,②原告X1,原告組合の被告Y1分会副分会長で被告Y1に雇用されている原告X2(原告乙山)及び原告組合の被告Y1と取引関係に...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,都心の一等地にある老朽化した建物の明渡訴訟である。
Xは,東京都千代田区飯田橋に所在する土地(本件土地)及び建物(本件建物)の所有者である。本件建物は,昭和4年ころ築造された,木造3階建て共同住宅であり,昭和44年に国からA,平成2年にAの相...
《解 説》
本件は,高校2年生の女子Xが母Aの交際相手であるYから乗用車内でわいせつ行為を受けたか否かが主たる争点となった事案である。Xの主張は,Yが乗用車内で左手をXのスカート内に入れた上,その指をX着用のスパッツの内側にこじ入れ,さらにパンティーの中に指を入れて直接Xの陰部を触るなどの...
《解 説》
1 本件は,親族間でその係争物となっている土地の所有権ないし占有権原の帰すうをめぐってもっぱら争われた事案であって,本件土地1及び2の所有者であるというXは,当該土地上に存する本件建物1ないし3につき,その所有者であるY1に対し,当該各建物を収去して本件各土地の明渡しを,また,...
《解 説》
X(大正14年3月生)は,昭和63年6月と平成2年2月に交通事故に遭い,同3年7月,頸髄症による下肢筋力の低下,痙性,歩行困難を理由に身体障害者福祉法別表第2級該当との診断を受けた。Xは,同5年9月,Y病院を受診し,A医師の診察を受け,同年10月14日,Y病院に入院し,同月27...
《解 説》
T社は,平成12年2月に設立された株式会社であって,定款において株式の譲渡制限の定めがあり,発行済株式の総数は6000株である。T社は,デジタルコンテンツの配信を主たる業としており,平成19年3月22日当時,Xが2400株(本件株式),Yが3600株を有していた。Xは同日,T社...
《解 説》
1 Xらは,A会社に対し,商品を納入していたが,A会社は平成16年4月に自己破産の申立てを行い,その後破産宣告がなされたため,その結果商品代金の支払を受けることができなくなった。そこで,Xらは,前記の商品取引当時,A会社は既に経済的な破綻状態にあり,同社の取引担当者Y1は商品代...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,医療施設であるA病院を経営している団体であるが,勤務医であるB医師が,入院患者C(昭和15年生)の気管内チューブを抜き取り,鎮静剤を投与した上,筋弛緩剤の注入により,Cを呼吸筋弛緩に基づく窒息により死亡させた事実を前提に,Cの相続人らとの間で損害賠償の合...
《解 説》
1 本件は,被告の元従業員である原告が,被告在籍中に半導体ウェーハの面取方法(本件面取方法)に関する職務発明を行い,その特許を受ける権利を被告に承継させたとして,被告に対し,平成16年法律第79号による改正前の特許法(改正前特許法)35条3項に基づき,上記承継の相当な対価である...
《解 説》
1 本件事案の概要
A会社は,平成18年3月,多重債務問題の解決に特化したと標ぼうするY弁護士に対し,B会社,C会社に対する貸付金債務の処理の委任(本件委任契約)をして,着手金2万円の支払(本件着手金支払)をした。A会社は,同年5月15日,支払を停止し,そのころ,代表者夫婦と...
《解 説》
1 本件は,(1)名古屋市上下水道局発注の下水道築造工事に関する入札後資格確認型一般競争入札において,大手建設会社幹部社員らが2件の談合を行い,同社員らが起訴された各談合の事案,(2)大手建設会社5社の各幹部社員らが,名古屋市交通局が一般競争入札の方法で特別共同企業体(いわゆる...