最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
本件は,平成16年3月に行われた都立高校の卒業式において,2年前まで同校に勤務していた元教諭が,威力を用いて,同校校長らによる卒業式典の遂行業務を妨害したとされる事案である。本件の背景にあるのは,平成15年10月23日に東京都教育委員会の教育長が,都立高校校長等に対して発した,...
《解 説》
1 本件は,妻である相手方(原々審の申立人,即時抗告の抗告人)が夫である抗告人(原々審の相手方,即時抗告の相手方)に対し家事審判の手続において婚姻費用の分担金の支払を求めた事案である。
2 本件の事実関係の概要等は次のとおり
(1) 抗告人と相手方は,平成17年4月に婚姻し...
《解 説》
1 本件は,いわゆるヤミ金融の組織に属する業者から著しく高率の利息を取り立てられて被害を受けたと主張する原告ら(控訴人,上告人)が,その組織の統括者であった被告(被控訴人,被上告人)に対し,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。原審の認定によれば,ヤミ金融店舗と原告らとの...
《解 説》
1 本件は,被告人が,その運営するインターネットのアダルトサイトにアクセスしてきた被害者らに対し,利用料金が発生したなどと偽って被告人の管理する預金口座に現金を振り込ませて騙し取った振込め詐欺の事案と,その際,振込み先の預金口座について第三者名義のものを使用し,詐取金員の取得に...
《解 説》
1 本件は,申立人が,自己の脅迫等被告事件の確定記録の閲覧を保管検察官に申請したところ,関係者のプライバシー保護を理由として,その一部につき不許可とされたため,準抗告,更には特別抗告に及んだ事案である。
本件に至る経過を簡単に記載すると,申立人は,不倫相手であった女性(被害者...
《解 説》
1 難民の地位に関する条約(難民条約),難民の地位に関する議定書(難民議定書)及び出入国管理及び難民認定法(入管法)によれば,人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,登記事項証明書の交付手数料1000円のうち500円を支払い登記事項証明書の交付を受けた原告らが登記事項証明書の手数料を1通1000円と定める登記手数料令2条1項(以下「本件政令」という。)は,違法であると主張して,上記手数料の未払部分500円の納付義務...
《解 説》
本件は,集合債権譲渡担保契約の権利者Xを国税徴収法24条の第二次納税義務者として国Yにより債権差押えがされたが,XとYとの間においてXの譲渡担保契約の第三者対抗要件が及ぶ範囲とYによる充当の適否が争われた事案である。その事実関係は,およそ次のとおりである。
Xは平成15年4月...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。
故Aは,控訴人においてオートバイ部品等の塗装業務に従事する労働者であった。故Aの妻及び父母である被控訴人らは,故Aが自殺したのは,自殺前に連日,肉体的・心理的に過重な負荷のかかる長時間労働を余儀なくされたことによってうつ病に罹患したこと...
《解 説》
1 本件は,情報システムの企画,設計等を目的とする株式会社であり,民事再生手続を行っていたXが,Xの会計監査人であった監査法人であるYに対し,Xと訴外会社との間の架空取引(以下「本件架空取引」という。)を看過して適法意見を表明したことがXとYとの間における監査契約(以下「本件監...
《解 説》
1 本件は,Yから本件建物を賃借して敷金40万円を差し入れていたXが,本件建物の管理人をしていたY代表者AがYの設置したクーラーを修理するために本件建物に立ち入ったことについて,Xの同意を得ていなかったので上記Aの無断立入りが賃貸人の債務不履行に当たると主張して,賃貸借契約を解...
《解 説》
1 本件は,X(請負人)が,Yら(注文者)との間で締結した建築請負契約に関し,Yらの中間金の不払いがあるとして同契約を解除した上で,損害賠償を求める本訴と,Yらが,建設中の建物に設計・施工上の欠陥があり,同契約が履行不能であるとして同契約を解除した上で,建物収去土地明渡しと損害...
《解 説》
1 事案の概要
原告(昭和22年生で,小学校の教員の経験があるが,結婚後は,産休代替教員などの職を経た後,自宅で中学生に勉強を教えている女性)は,被告証券会社との間で外国為替証拠金取引を行った者であるが,外国為替証拠金取引は,賭博行為であり,公序良俗に違反する無効な取引である...
《解 説》
1 本件は,X1とX2が,Y1が製造し,Y1の子会社であるY2が販売する数種の健康食品である錠剤(本件各製品)を購入したが,本件各製品に発がん性を有し,旧食品衛生法6条(現行法の10条に相当)により食品への添加が禁止されているエトキシキンが含まれていたとして,Y1に対し,その宣...
《解 説》
1 Y1の従業員であるY2の運転するタクシーは,転回禁止区域において転回したことにより,後方から進行してきたY3の運転する車両と衝突した(本件事故)。上記タクシーに乗車していたXは,本件事故後,外傷性頸部症候群,頭部打撲,左胸部打撲等と診断されて,長期にわたって治療を受けたが,...
《解 説》
1 事案の概要
X1は,平成16年7月,糖尿病の治療のため,Yが開設する病院に入院し,同月29日,蓄尿検査を受けることとなった。ところが,同日,A看護師は,蓄尿検査に防腐剤として使用するアジ化ナトリウムを誤ってX1に投与した。その結果,X1は,アジ化ナトリウム中毒による白質脳...
《解 説》
1 事案の概要
Yは,増幅器付スピーカーに係る意匠権(以下「本件意匠権」という。)を有するところ,Xの販売する増幅器(アンプ,以下「X製品」という。)の意匠(以下「X製品意匠」という。)が本件意匠権の登録意匠(以下「本件登録意匠」という。)に類似するとして,X製品の販売の差止...
《解 説》
1 本件は,盗難被害に遭ったY1,Y2所有の各株券(以下「本件各株券」という。)を拾得して警察署長に差し出したXが,Y1,Y2に対し,遺失物法に基づき,報労金の支払を求めた事案である。
これに対し,Y1,Y2は,Xは,Y1,Y2に対する報労金の請求にあたり,脅迫的言動を行った...
《解 説》
1 本件事案は,複雑であるが,ある程度単純化すると,次のようである。
Aは,敷地の一部に木造2階建建物(本件建物)が建っている土地(本件土地)を元所有していたが,Aは昭和61年4月に死亡し,Zがこれを相続した。Zは,昭和61年7月,本件土地を担保にして債権者G1から金銭を借り...
《解 説》
1 本件は,Y(国立大学法人)の実施した平成17年度医学部医学科の入学試験(本件入試)を受験して,不合格の判定を受けたXが,個別学力検査等及びセンター試験の合計得点では合格者の平均点を超える得点を得ていたにもかかわらず,不合格となったのは,Xの年齢を理由とするものであって,合否...
《解 説》
1 本件は,幼少時,被害者から性的暴行を受けたことを理由に,同人を深く恨み,それから10年以上が経過した後に,研磨した模造刀を携えて被害者方に侵入し,被害者及びその実父を殺害した上,実母をも殺害しようとしたものの,全治4ヶ月間の傷害を負わせたに止まり,未遂に終わったという殺人,...
《解 説》
1 本件事案の概要は,以下のとおりである。
(1) 警察官は,午前1時55分ころ,警察車両で警ら中,被告人車両が一時的に蛇行運転とも取れる動きをしたことなどから,無免許運転,酒気帯び運転の疑いを抱き,規制品等所持の可能性もあると考えて,被告人車両を道路端に停止させ,所持品検査...