最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,被害者(当時76歳の男性)から急迫不正の侵害を受けた被告人(当時64歳の男性)が,正当防衛として,その顔面を殴打するなどの暴行を加えたところ,被害者は転倒して後頭部を地面に打ち付け,動かなくなったが,更に同人を足蹴にしたり,足で踏み付けたり,腹部に膝をぶつけるなどの...
《解 説》
1 本件は,夫の死亡によりその財産を長女及び長男と共同相続した被告人が,自己の相続財産に係る相続税については納税義務者として,長女及び長男の各相続財産に係る相続税については両名の各代理人として,それぞれ相続税の申告をするに当たり,相続財産の一部を除外するなどして課税価格を減少さ...
《解 説》
1 A(男性)は,国鉄に勤務し,国鉄退職後は厚生年金保険適用事業所に勤務したことから,国鉄共済組合組合員及び厚生年金保険被保険者の地位を有していた者であり,同人は死亡直前に,通算老齢年金,老齢厚生年金及び退職年金の支給を受けていた。Aの死亡に伴い,Aの重婚的内縁関係にあった原告...
《解 説》
1 本件は,A社によるPCB(ポリ塩化ビフェニル)等の分解施設及びその処理物の洗浄施設の設置予定地周辺に居住するXらが,本件施設の設置により,生命,健康等に重大な悪影響を受けるおそれがあるなどとして,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)の規定に基づき,本件施設の設置許可処...
《解 説》
1 本件は,控訴人たる村田町(Y)が実施する公共工事の指名競争入札の参加資格を有する建設業者である被控訴人ら(Xら)が,2年近くの間,恣意的に指名を回避されたとして,Yに対し,国家賠償法1条1項に基づき,指名を受けていたならば得たであろう利益相当額の損害賠償を求めた事案である。...
《解 説》
1 本件は,村田町(Y)が実施する指名競争入札の参加資格を有する建設業者ら(Xら)が,平成15年4月から平成17年1月までの間,恣意的に,Yが発注する建設工事の指名を回避されたとして,Yに対し,国家賠償法1条1項に基づき,指名を受けていたならば得べかりし利益相当額の損害賠償等を...
《解 説》
1 神戸市は,平成16年度に永年勤続教職員に対して,慰安会名目で,旅行クーポン引換券とホテル等の施設の共通利用券(以下「本件旅行券」という。)を支給し,旅行クーポン引換券の引換えをした旅行会社等に対して,委託料名目で金員を支出し,また,平成17年度に,永年勤続教職員に対する慰安...
《解 説》
1 Xは,平成6年4月,金型の製造を業とするA会社に入社し,岐阜市内の工場で放電加工の作業に従事していたところ,平成14年1月2日,非番であったが,夜勤を命じられた弟Bとともに出社したところ,Bの夜食が手配されていなかったため,Bの依頼により自転車で近くのコンビニエンスストアに...
《解 説》
1 本件は,私立高校の数学科教諭である原告に対してされた事務職員への配置転換の効力が争われるとともに,同配置転換に端を発する3次にわたる懲戒処分(出勤停止)による減給分の給与の支払及びこれら処分により被った精神的苦痛を理由とする慰謝料の支払を求めた事案である。
2 被告は,配...
《解 説》
Xはホストクラブ等を経営する会社であり,平成14年7月期(本件事業年度)の法人税についてY税理士を代理人として確定申告をしたところ,平成17年3月に至り,税務署長より平成13年8月以降の青色申告の承認を取り消す旨通知され,修正申告をして増加した税額を納付したほか,重加算税を賦課...
《解 説》
1 本件は,老人医療の受給者であるAがY経営の病院で検査中に検査台から転倒落下して頭蓋骨骨折等の傷害を負ったことから,Aを被保険者の被扶養者とする保険者であるXが,Yの医療担当者の過失により上記事故が発生し,Aに医療費が生じたことが原因で,Xが社会保険診療報酬基金に納付すべき医...
《解 説》
1 事案の概要
X1(昭和23年生)は,平成12年1月,激しい頭痛に見舞われ,救急車でYの開設するH病院に搬送された。CT検査の結果,くも膜下出血を発症していると診断され,直ちに入院した。X1は,同月,脳動脈瘤頸部クリッピング術を受けたが,手術中にチマメ状動脈瘤が破裂して,大...
《解 説》
本件は,妻が夫に対し,離婚に際し,将来支給が見込まれる退職金(退職手当)の財産分与を求めた事案である。夫は,定年まで勤務したとしても5年以内に退職することが見込まれている。
原審は,夫が,妻に対し,退職金を支給されたときに550万円を支払うことを命じた。これに対し,妻が控訴し...
《解 説》
1 本件は,YがHDD事業部門について商法(平成17年7月26日法律第87号による改正前のもの。以下「旧商法」という。)上の会社分割(新設分割)を行った際,旧商法373条により設立する会社(設立会社)へ承継される営業(承継営業)に含まれるとして分割計画書に記載された労働契約の労...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Yは,医薬品,栄養製品,飲料等の製造及び販売等を業とする株式会社であり,Xは,Yにおいて医薬品の研究開発に携わり,平成15年2月に退職した,Yの元従業員である。
(2) 本件は,Yの有していた,テトラゾリルアルコキシカルボスチリル誘導体とそれを含有す...
《解 説》
1 インターネット上のホームページにおいて,ある団体が秘密厳守をうたって,ポルノ被害等を受けた女性からの被害情報を募集していたが,1審被告(控訴人兼附帯被控訴人)はその主催者の一人として,同ホームページ上にその経歴(肩書)に弁護士であるとして氏名を明示していた。1審原告(被控訴...
《解 説》
1 本件は,Yの製造に係るシリコンウェハー(本件製品)をA社等に対して販売するためにXをYのエージェントに任命することなどを内容とする当事者間のエージェント契約(本契約)について,Yから更新拒絶の意思表示(本件更新拒絶)を受けたXが,主位的に,①本件更新拒絶は有効な更新拒絶とは...
《解 説》
1 本件は,被控訴人(原審被告)による貯金債権への差押えにより同債権を喪失した控訴人(原審原告)が,同債権は年金を原資とするから差押禁止債権に当たるとして,不当利得又は不法行為に基づき,被控訴人が弁済を受けた金員等の支払を求めた事案である(なお,本件は,控訴人が代理人弁護士に訴...
《解 説》
1 本件2つの決定は,いずれもゴルフ場の経営等を行う会社の経営危機を巡って,経営陣が民事再生手続の申立てをしたのに対し,ゴルフ会員預託金債権を有する債権者らが会社更生手続の申立てをし,いずれの手続を選択するのが相当かという点が問題となった事案である。
第1事件の事案及び決定の...
《解 説》
本件は,いわゆる日航機ニアミス事件に関する控訴審判決である。航空管制官である被告人両名に過失責任はないとした1審判決を破棄して,過失責任を肯定したものである。
事案の概要は,次のとおりである。管制官である被告人甲は訓練生として,管制官である被告人乙の指導監督を受けながら,レー...
《解 説》
1 本件事案の概要等
本件は,被告人が,長男の強制わいせつ被告事件(以下「本犯事件」ともいう。)の公判期日に,本犯事件の犯行日時ころ,長男が,自分を含む家族らと一緒に買い物に行っていたというアリバイ証言をしたことが,偽証罪に当たるとして起訴された事案である。
原審では,公判...