最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,平成13年4月に営業を停止した大和都市管財株式会社(大和都市管財)から平成10年1月以降に抵当証券を購入したXら721名が,同社は,平成9年12月当時,既に抵当証券業を適確に遂行するに足りる財産的基礎等を欠いている状態にあり,かつ,貸借対照表の重要事項について虚偽の...
《解 説》
Xは,Y(東京都)が設置する養護学校の教職員を組合員とする労働組合であるが,平成17年2月上旬,組合員であるA教諭を介してO校B校長に対し,ものづくり教研を同校で開催するため同校施設の使用許可を求めた。これに対しB校長は,「貴都障労組は案内のとおり,国及び都の方針に反対の意思を...
《解 説》
1 本件は,宇治市の住民である被控訴人らが,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づく住民訴訟を提起し,一部勝訴判決が確定したことから,控訴人に対し,法242条の2第7項の規定に基づき,被控訴人らが上記住民訴訟遂行のた...
《解 説》
1 本件は,原告が,外務大臣に対し,特定の国会議員が訪米した際に在米日本大使館が行ったすべての会食及び供応に関する支出証拠等の行政文書の開示を請求したが,外務大臣が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」)8条に基づき,本件文書の存否を明らかにしないで,同...
《解 説》
事実関係は,次のとおりである。控訴人は,藤田観光が100%出資する子会社であり,藤田観光が36戸の共同住宅からなる区分建物を360分の1の共有持分として分譲し運営する共有会員制リゾートクラブ「ウィスタリアンライフクラブ」に属する共有制リゾートホテル「鳥羽第二ウィスタリアンホテル...
《解 説》
1 Xは,平成8年7月29日,マンション(以下「本件マンション」という。)の住戸(以下「X住戸」という。)を妻と共に各持分2分の1の割合で買い受け,そのころから妻と共にX住戸に居住している。Yは,平成16年2月ころ,階上の住戸(以下「Y住戸」という。)を賃借してそこに居住し,少...
《解 説》
控訴人は,医師である被控訴人が開設する診療所で交通事故による傷害の診療を受け,被控訴人は,①加害者側の保険会社に対し控訴人の診断書を作成交付し,②控訴人が加害者を相手方として申し立てた調停事件の係属する簡易裁判所からの文書送付嘱託に応じて控訴人の診療録を裁判所に送付した。本件は...
《解 説》
1 事案の概要
本事例の交通事故は,交差点の横断歩道を自転車で直進横断中の原告に気づかないまま,被告A運転の大型貨物自動車(被告B所有)が交差点を左折しようとして接触し,原告に右大腿骨骨幹部骨折,右脛骨骨幹部骨折,左鎖骨骨折の傷害を負わせたというものである。
原告は,本件訴...
《解 説》
1 極低出生体重児(出生時の体重1142g)として出生したX1には,出生直後の頭部エコー検査により脳室周囲白質軟化症(PVL)の所見が確認されていた。PVLとは,側脳室周囲白質に局所的な虚血性壊死による多発性軟化病巣ができる疾患であり,早産児の脳性麻痺の主な原因とされ,通常の幼...
《解 説》
1 事案の概要
YがXの有する本件特許の請求項1,2及び4について無効審判を請求したところ,Xは請求項4及び対応する発明の詳細な説明の記載を訂正する訂正請求をした。特許庁は,①訂正を認める,②請求項1ないし2に係る発明についての特許を無効とする,③請求項4に係る発明についての...
《解 説》
1 個人株主であるXは,A株式会社の有価証券報告書のうち「大株主の状況欄」において虚偽の記載があることを知らないで,A株式会社の株式を買い付けたところ,上記虚偽記載があったことが発覚して株価が下落したため,株式買付時の各買付単価と虚偽記載公表から約1か月後の特定の日の終値との差...
《解 説》
1 本件は,マンション管理組合である原告が,近隣マンション建設反対運動を行う団体である被告に対し,寄託した金員の返還を求める事案である。これに対し,被告は,本案前の抗弁として,被告が民事訴訟法29条にいう「法人でない社団」に当たらず,当事者能力がないなどとして,訴えの却下を求め...
《解 説》
1 Y(生保会社)の保険外務員であったXは,自らの顧客であったAが契約した4口の生命保険契約について解約の手続きをし,その解約返戻金等をAから受領したが,その後,Aの親族からYに対し,Xが不正に解約返戻金等を受領しているとクレームがあったことから,Yは,一旦Xからその解約返戻金...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。
(1) Aは,偽造有印私文書行使,詐欺の罪で,逮捕・勾留・起訴された被告人である。Bは,Aの元妻であり,C(長男),D(二男),E(長女)及びF(二女)は,いずれもAとBとの間の子であり,GはFの夫である。
(2) 原告は,A及びCに...
《解 説》
1 Xは,平成4年1月24日に設立されたスキューバダイビングスクールの経営やダイビング用品の販売等を業とする資本金1300万円の株式会社であるところ,平成14年ころから,フランチャイズ店の失敗やマリンスポーツ業界の不況の影響等から経営が悪化したため,これを粉飾決算で糊塗して金融...