最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,大工であるXが,マンションの内装工事に従事していた際に,丸のこぎりの刃に右手指が触れ,右手中指,環指及び小指切断の傷害を負うという災害(以下「本件災害」という。)に遭ったことにつき,業務に起因するものであるとして,労働基準監督署長Yに対し,労働者災害補償保険法(以下...
《解 説》
1 本件は,コンビニエンス・ストアのフランチャイズ・チェーンを運営する被告(被控訴人,上告人兼申立人)との間でその加盟店となる契約を締結し,被告に対し「セブン―イレブン・チャージ」(以下「チャージ」という。)と呼ばれる契約上の対価を支払ってきた原告(控訴人,被上告人兼相手方)が...
《解 説》
1 本件は,大阪証券取引所(大証)の副理事長等の職にあった被告人が,同取引所に上場されている株券オプションにつき,投資家にその取引が繁盛に行われていると誤解させようと企て,ほか数名と共謀の上,同取引所で,有価証券オプション取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的をもって,多数...
《解 説》
1 本件は,被告人が,営利の目的で,自宅において,宅配便で配達された覚せい剤約48gを所持するなどした事案であり,検挙に至る事実関係は,次のとおりである。すなわち,警察官が,被告人に対する別件の覚せい剤取締法違反被疑事件につき,捜索場所を被告人方居室等,差し押さえるべき物を覚せ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,大阪市政記者クラブ所属の記者でないことを理由に,大阪市議会財政総務委員会委員長から同委員会の傍聴を許可しない旨の処分(本件不許可処分)を受けたフリージャーナリストのXが,Y(大阪市)に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料等の支払を求めた事案である。...
《解 説》
1 原告夫は,イラン国籍を有し,原告妻は,コロンビア国籍を有し,平成3年9月,平成9年3月に,それぞれ短期滞在の上陸許可を受けて入国し,不法残留していたところ,両名の間に平成13年1月原告息子が出生し,同年6月原告夫及び原告妻は婚姻し,両国の大使館に結婚届を提出した。
2 原...
《解 説》
1 本件は,法務大臣がした出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の基準を定める省令の留学及び就学の在留資格に係る基準の規定に基づき日本語教育機関等を定める件(平成2年法務省告示第145号。以下「日本語教育機関告示」という。)の一部を改正する告示(平...
《解 説》
本件は,Xが土地を取得して不動産取得税を納付し,その後当該土地上に特例適用住宅を新築したことを理由に同税の減額還付を求めたところ,Y県の支庁長(後に県税事務所長が承継)が減額還付をしない旨決定したため,XがYに対し,同処分の取消しと還付金の支払いを求めた事案である。
事実経過...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「特別措置法」という。)5条1項により健康管理手当の支給を受けたX(訴訟提起後に死亡)が,その後日本を離れて以降,同手当の支給を受けなかったことについて,Xの相続人らが,長崎市及び国に対し,①特別...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Yは,広告代理店を業とする会社である。Xは,1984年4月,Yに入社し,2002年1月以降,業務部次長として同部の業務に従事していた。ところで,Yにおいては,2001年9月,旧賃金規程に代えて,いわゆる成果主義賃金体系を基礎とする新賃金制度...
《解 説》
1 本件は,被告が運営するゴルフ倶楽部でキャディ職あるいは保育士職として勤務していた原告らが,被告に対し,労働条件の不利益変更,合理的理由のない解雇,退職に伴う違法行為等があったとして,期間の定めのない雇用契約の存在確認,未払賃金の支払,退職に関する債務不履行又は不法行為に基づ...
《解 説》
1 昭和41年に新東京国際空港が成田市三里塚地区に建設されることが決定されると,これに反対する地元農民らは,反対同盟を結成し,また,「三里塚地区周辺に土地をもつ会」を設立し,新東京国際空港公団による用地取得を困難にするために成田空港建設予定地内の土地の所有者(前所有者)から提供...
《解 説》
1 本件は,X1及びその妻であるX2が,Y1の発行した週刊誌上において,いわゆる「福岡一家惨殺事件」(中華人民共和国の留学生3人が,共謀の上,福岡市内にあったX1の妹一家の自宅に強盗目的で侵入し,同一家4人を殺害して,死体を博多湾の海中に遺棄したという,住居侵入,強盗殺人,死体...
《解 説》
1 電気事業法の改正に伴い電気供給約款が改定され,平成8年から需要場所に適用される電気需給契約の契約種別が,「業務用電力」とされるか「高圧電力(A)」とされるかによって電気料金が異なることとなった(平成8年当時で3%,平成14年4月以降は13%程度,後者が安価である。約款上は,...
《解 説》
1 訴外Aは,平成14年8月22日,分娩のためにYが開設する産婦人科を専門とするB病院に入院し,同日22時18分に吸引分娩によりX2を出産したが,その約2時間後昏睡状態に陥り,救急車で国立病院に搬送され,同病院で治療を受けたが,多臓器不全等に陥って,同年8月24日,急性呼吸循環...
《解 説》
1 事案の概要
北海道市営競馬組合が行うばんえい競馬の競争馬は,通称「ばん馬」と呼ばれている。本件は,ばん馬であるAが,喘鳴症に罹患していたので,Aの馬主であるXが,Yの運営する診療所で喉頭形成術を受けさせたところ,診療所のB獣医師がXの所有する競争馬に針を残置するなどしたた...
《解 説》
1 事案の概要
申立人は,基本事件の被告であり,相手方らは,基本事件の原告訴訟代理人弁護士である。基本事件は,原告が,被告の輸入販売する医薬品(申立人医薬品)が原告の特許権を侵害し,かつ不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に当たると主張して,申立人医薬品の輸入販売の...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,Yの従業員であったXが,在職中にしたカセット型花弁形タイプホイールを使用する印字装置(プリンタ)に関する発明(本件各発明)が特許法(平成16年法律第79号による改正前のもの。以下同じ。)35条1項所定の職務発明に当たり,特許を受ける権利をYに承...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Y1会社は,資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの。以下「流動化法」という。)に基づいて設立された特定目的会社であり,Y2は,平成16年1月13日に同会社の取締役に就任した者である。
Y1会社の資産流動化計画(以下「本件資...
《解 説》
1 本件は,形式競売による売却により土地(本件土地)を買い受けたXが,同土地上の建物(本件建物)を買い受けたというYに対して,建物収去土地明渡しを求めた事件である。
必要な事実関係を要約すると,次のとおりである。本件土地及び本件建物は,もとAらの父の所有であったが,遺産分割の...
《解 説》
1 本件は,被告人3名が共犯者らと共謀の上,営利目的で覚せい剤結晶及び覚せい剤様の結晶を宅配便配達員を介して宅配便により受領して,覚せい剤を譲り受ける行為と薬物その他の物品を規制薬物として譲り受ける行為を併せてすることを業とし(判示1),その中で,営利の目的で,覚せい剤及び覚せ...