最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,損害保険会社である被告との間で車両保険契約を締結した原告が,保険期間内に発生した被保険車両の盗難により損害を被ったと主張して,被告に対し,保険契約に基づき保険金の支払を求める事案である。
2 事実関係の概要は次のとおり
(1) 原告が盗難被害に遭ったとする車両は...
《解 説》
1 本件は,損害保険会社である被告との間で車両保険契約を締結した原告が,保険期間内に発生した被保険車両の盗難により損害を被ったと主張して,被告に対し,保険契約に基づき保険金の支払を求める事案である。
2 事実関係の概要は次のとおりである。
(1) 原告が被告との間で締結した...
《解 説》
1 本件は,弁護士である原告が,訴訟代理をした民事訴訟事件の相手方当事者であった会社から弁護士懲戒請求を受けたことについて,その懲戒請求の申立て等が不法行為に当たると主張して,その会社代表者と代理人弁護士に対し,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。以下では,上告が受理さ...
《解 説》
1 本件は,公正取引委員会(Y)が,我が国の郵便番号自動読取区分機類(以下「区分機類」という。)のほとんどすべてを製造販売していたXらに対してした私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成17年法律第35号による改正前のもの。以下「独禁法」という。)54条2項の排除確保...
《解 説》
1 本件は,離婚の訴えに附帯して,別居後離婚までの期間における子の監護費用(以下「別居後離婚前監護費用」という。)の支払を求める申立てをすることの適否が問題となった事案である。
2 妻であるX は,夫であるY と婚姻後,長男の懐胎中に別居に至り,その後長男を出産し,単独でその...
《解 説》
1 本件は,証券会社に対して社債の引受けの申込みをし,所定の金員を払い込んだ者らが,証券会社が破産宣告を受けたことなどにより,上記払込金の返還を受けることが困難となったなどとして,証券取引法(以下「法」という。)79条の56第1項に基づき,投資者保護基金に対し,補償金の支払を求...
《解 説》
1 本件は,再審原告Xが,再審被告YのXに対する請求を認容した前訴確定判決につき,民訴法338条1項3号の再審事由(以下「3号事由」という。)があると主張して申し立てた再審事件である。
2 本件の経過は次のとおりである。
(1) Yは,Bから,BがXの義父であるAに対してX...
《解 説》
本件は,有限会社Xが計画した産業廃棄物中間処理施設の建設を抑止する意図で制定されたA町の水道水源保護条例に基づく町長Yによる規制対象事業認定処分の適否が争われた事案であるところ,第1審津地判平9. 9. 25判タ969号161頁はXの請求を棄却し,控訴審名古屋高判平12. 2....
《解 説》
1 本件は,新潟市(旧新潟県豊栄市)の住民である原告が,地方公共団体の一部事務組合である豊栄郷清掃施設処理組合が被告日立造船株式会社との間で締結したごみ処理施設増設工事請負契約は,被告日立造船株式会社(以下「被告日立造船」という。)を含む入札参加業者らが談合した結果,被告日立造...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは公立学校の教員であるが,平成12年4 月1日からはA中学の家庭科の教員として勤務していた。Xは,平成15年4月1日付けで,Y1教育委員会から,A中学からB中学への転任命令を受けた(以下「本件転任処分」という)。X は,本件転任処分は,主...
4 地方公共団体の一部事務組合がプラントメーカーとの間で締結したごみ処理施設増設工事請負契約において、同メーカーを含む入札参加業者らが談合した結果、同プラントメーカーが最低入札金額を提示した上で随意契約により締結されたものであると認め、談合がなければ形成された出あろう適正価格と契約代金額との差額相当額の損害賠償について住民の代位請求を認めるとともに、同一部事務組合管理者が損害賠償請求権の行使を怠る事実が違法であることを確認した事例
(新潟地裁平18・9・28判決)
《解 説》
1 本件は,Xが,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号による改正前のもの。以下「法」という。)に基づいて,外務省の大臣官房及び米,仏,中,比の4か国の在外日本国大使館における平成12年2月及び3月中の「報償費」の費目による支出について,その支出内容...
《解 説》
Xは,平成元年4月,在日米軍の労働者としてY(日本国)に採用され,同10年12月には報道編集専門職に昇格し,同13年1月から横田基地内の在日米軍司令部勤務となった者であるが,同年5月,上司から労働能力が不足しているとして,同年8月までの間に一定の業務を遂行することを求め,遂行し...
《解 説》
本件は,株式会社間の交渉において,一方が他方に対して要望を伝えたところ,他方がそれに特段の異議を述べずに帰社した場合に,その要望内容について会社間の合意が成立したかどうかが問題になった事案であり,事案の概要は,次のとおりである。すなわち,原告は,オフィスビル,商業施設等の開発・...
《解 説》
1 本件は,訴外会社が地方公共団体に対し有していた工事請負代金債権について,国による差押えと,訴外会社の被告らに対する給与債務の弁済を目的とした訴外会社の被告らに対する債権譲渡通知とが競合した事例において,債権譲渡通知について,当該債権譲渡通知が真正なものであると信じたことにつ...
《解 説》
1 本件は,原告が,(1)被告乙山一郎に対しては,被告乙山一郎が配信したメールマガジンにおいて,原告が準強姦事件に関与したなどの原告の名誉を毀損し,プライバシーを侵害する記載があったとして,(2)被告株式会社噂の真相及び同丙川二郎に対しては,被告噂の真相が発行し,被告丙川が編集...
《解 説》
1 本件は,被告が発行する週刊誌において,テレビ放送局である原告が,平成5年に放映された失踪者についての特集をした番組の取材において,Aさんが韓国慶州で失踪した事件につき北朝鮮による拉致であるとの詳細な証言を得ていたにもかかわらず,その証言をAさんの家族にも報告せず11 年間も...
《解 説》
1 本件事案の概要
A(死亡当時66歳の男性)は,平成11年9月,食道癌の検査・治療のため,Yが開設する病院(被告病院)に入院し,同年11月に食道癌根治手術(本件食道癌根治手術)を受けた。ところが,同年12月,B医師による気管切開術(本件気管切開術)を受けていた際に,容態が急...
《解 説》
1 訴外A(平成9年生)は,平成12年3月27 日,ミルクを吐き,咽頭痛,呼吸苦を訴え,発熱もあったため,近隣の小児科医で診療を受けたところ,急性クループと診断され,入院治療が必要とされたため,同日,Yの開設・運営するB病院に入院した。
Aは,B病院において,クループ症候群喉...
《解 説》
1 訴外A(大正15年生)は,平成4年1月,自宅で倒れたため,同年2月12日,Yの経営するB病院に入院して精密検査を受けたところ,脳に未破裂脳動脈瘤があることが発見され,将来この脳動脈瘤が破裂する可能性があることを説明されたため,脳動脈瘤の破裂を予防するための手術(以下「本件手...
《解 説》
A(大正11年生)は,平成13年5月12日,肝臓癌,慢性肝炎,脳梗塞後遺症及び老人性痴呆との病名(当時)により病院に入院し,同年8月2日,長男Y,主治医B,病院長C,看護師D立会いのもとに,不動産をYに,預貯金の2分の1をYに,3分の1宛を亡き長女の子X1及びX2にそれぞれ相続...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,医師である原告が,かつて経営していた産婦人科医院で発生した出産事故(以下「本件事故」という。)の被害者(出生児とその親)に,訴訟上の和解により金員を支払ったことから,損害賠償金及び弁護士費用について,日本医師会医師賠償責任保険(以下「本件保険」という。...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,いわゆる回線交換方式による直収電話サービスを提供していたXが,Y1との資本提携交渉に関して,同サービスに関する営業秘密をY1ほか2社に開示したところ,Y1ほか2社が,同営業秘密をY1の100パーセント子会社であるY2に不正に開示し,Y2がその営業秘密を...
《解 説》
1 本件は,被告人Nと共犯者Xが被害女性ほか女性1名とビアガーデンで飲酒した後,同女らを被告人S宅に連れて行き,5人で飲酒した際,Xが持参していた精神安定剤エチゾラムを含有するデパスを混入させ,少なくともXと被告人Sが被害女性と性交したという事案である。検察官は,(1)被害女性...