最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 パキスタン国籍を有するX1(男性)は,昭和63年3月,在留資格「短期滞在」,在留期間90日の条件で上陸許可を受けて,本邦に入国した。在留期限は同年8月まで更新されたが,X1は,その後は更新を受けないまま,本邦に不法に残留した。
X1は,平成2年2月ころ,日本人女性であるX...
《解 説》
1 事案の概要
有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律(平成14年法律第120号。以下「有明海等再生特措法」という。)は,県計画に基づく事業の実施や有明海及び八代海の海域の環境保全等のために,国及び地方公共団体等が配慮すべき事項や努めるべき事項等を定め(11条な...
《解 説》
1 事案の概要
中国人窃盗団などによる侵入窃盗犯罪多発地域を警ら中であった警視庁警察官が,原告を不審者と認めこれを追尾中,原告から多数回にわたり頭部顔面等に暴行を受け,さらに原告が逃走を図ろうとしたため,原告を傷害罪及び公務執行妨害罪で現行犯逮捕すべく,けん銃4発を発砲したと...
《解 説》
1 本件は,宗教法人である原告が,死亡したペット(愛玩動物)の飼い主から依頼を受けて葬儀や供養等を行って金員を受け取ったことについて,被告から,ペット葬祭業は法人税法2条13号及び同法施行令5 条1項各号所定の収益事業に当たるとして,法人税の決定処分及び無申告加算税賦課決定処分...
《解 説》
神戸市は,神戸空港(当時建設中)において,同空港の滑走路を小型固定翼機の所有者等にも開放することを計画し(以下,当該事業を「本件小型固定翼機事業」という。),その一環として,同空港のエプロンに隣接して13.5 ヘクタールの土地(以下「本件用地」という。)を埋め立てて小型固定翼機...
《解 説》
1 本件は,新国立劇場を管理運営するY財団法人との間で期間1年の出演基本契約を締結・更新し,新国立劇場合唱団のメンバーとしてYの主宰するオペラ公演等に出演していたXが,平成15年2月,Yから次シーズンの出演基本契約を締結しないとの通知を受けたため,出演基本契約は労働契約であり,...
《解 説》
Yは平成14年11月,S村から公民館ホール及び保健センターの屋根塗装工事を請け負い,代表者の叔父Aが公民館ホールの屋根で高圧洗浄作業に従事していたところ,足を滑らせて転落し,肺挫傷により死亡した。そこでYは同年12月,X1に上記塗装工事の未施工分を下請けさせることとしたが,積雪...
《解 説》
本件は,統合失調症に罹っていた20歳の男性Aが29歳の女性Bを殺害した事件について,Bの夫X1,父母X2,X3がAの父Yに対し,民法714条1項の監督義務者の責任又は民法709 条の不法行為責任に基づき,損害賠償を求めた事案である。
原審・長崎地佐世保支判平18. 3. 29...
《解 説》
1 本件は,当時91歳の女性である原告が,東京都世田谷区の小田急線下北沢駅付近の商店街の交差点内を歩行中,交差道路から歩いてきた当時25歳の女性である被告と出会い頭に衝突して転倒し,右大腿骨頸部骨折などの傷害を負った事故について,被告に歩行者としての注意義務を怠った過失があった...
《解 説》
1 本件は,Yら3名が,Y3の自宅で共に飲酒をした後,Y1の運転する自動車で近所の飲食店に向かう途中でAをはねて死亡させたが,そのまま逃走したという交通事故に関し,Aの両親(相続人)であるX1及びX2が,Y1に対しては不法行為又は自賠法3条に基づき,同乗者であるY2及びY3に対...
《解 説》
1 X(昭和16年生まれ)は,平成14年2月6日,Y病院で大腸検査のため高圧浣腸を受けたが,看護師の手技上のミスで直腸後壁に穿孔が生じ,医原性大腸穿孔(第1次穿孔),直腸周囲膿症等の傷害を負った。Xは,同年6月10日までY病院に入院し,直腸穿孔の閉鎖術等を受けたが完治しなかった...
《解 説》
Y1学園が経営する高校の2年生であったAは,スポーツ特待生として相撲部に所属し,平成15年夏には各地で合宿や公式戦に参加していた。Aは,同年8月8日,県高等学校体育連盟等が主催した合宿に参加してぶつかり稽古等をしたが,午後5時過ぎに頭がくらくらすると言って横になり,そのうちに意...
《解 説》
1 本件は,県立高校の野球部の練習中,ノック練習のため野球部員Aがノックした球が,ゴロ捕り練習中であったX(野球部員)の右眼こめかみ付近を直撃して視力低下・外傷性散瞳等の後遺障害が残存したことについて,Xが,野球部の顧問兼監督である同校の教諭Bが事故発生防止のため尽くすべき注意...
《解 説》
1 本件の原告Xは,東京相和銀行(平成13 年7月,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律〔金融再生法〕に基づき解散し,現在清算手続中の会社であり,その営業は東京スター銀行に譲渡された。)であり,本件の被告Yは,Xの取締役会長であった者である。
本件は,Xの2回にわたる新...
《解 説》
1 本件は,生命保険会社である被告との間において,代表取締役Aを被保険者とする災害割増特約及び傷害特約付きの生命保険契約を締結していた原告が,被告に対し,Aが自宅屋上から転落して死亡した事故(以下「本件事故」という。)が不慮の事故に当たるとして,同各特約に基づき,災害死亡保険金...
《解 説》
1 本件は,1審被告に勤務していた1審原告が1審被告に対し,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条(職務発明)に基づき,1審原告が1審被告に承継させた「燃料噴射弁」の特許権(本件特許権。その特許発明を「本件特許発明」という。)について,その対価としての230億8284...
《解 説》
本件は,多頁面付け方法についての特許権(本件特許権)の共有持分を有する原告が,多頁面付け方法に関するソフトウェアを製造,販売している被告に対して,同ソフトウェアを用いて多頁面付けを行う際の方法(被告方法)は,本件特許権に係る特許発明の技術的範囲に属するものであって,同ソフトウェ...
《解 説》
1 本件は,インクジェット記録装置用インクタンクに関する特許権(本件特許権)を有する原告が,原告製造販売に係るインクタンクが一度使用された後にインクを再充填されるなどして製品化されたものを被告が輸入し,販売している行為が,上記特許権を侵害するとして,被告に対し,上記行為の差止め...
《解 説》
本件は,「ニッケンのダニ捕りマット」という名称のダニ捕獲器の製造販売をしている原告が,「ダニ捕りシート ダニの宿」という名称のダニ捕獲器を販売していたY1に対し,不正競争防止法2条1項1号,13号に基づいて損害賠償並びに商品の販売差止め,廃棄及び謝罪広告を求めるとともに,民法7...
《解 説》
1 本件は,Xが製造,販売する腕時計の形態につき,不正競争防止法2条1項1号の商品等表示該当性,類似性,混同のおそれ等が争われた事案である。
Xは,スイスに本社を有する有名時計メーカーであり,特徴的なデザインの腕時計(X時計)を製造,販売していたところ,Yらが,X時計に似た腕...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,海運業を営む会社であり,同じく海運業を営む会社であるY1の所有するコンテナー専用船(以下「本船」という。)の一部を再傭船していた。本船は,当時,名古屋,横浜,キールン,香港,シンガポール,そして南アフリカ共和国のダーバンの各港に寄港し,貨物の積付けを繰り...