最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,X(原告,被控訴人,上告人)が,その債権を担保するため担保設定者との間で,いわゆる集合債権譲渡担保契約を締結し,担保設定者の第三債務者に対する既発生債権及び将来発生すべき債権を一括して譲り受け,その債権譲渡につき第三債務者に対する確定日付のある通知により対抗要件を具...
《解 説》
1 本件は,上場株式を取得したXらが,名義書換手続をする前に同株式について株式分割がされ,株主名簿上の株主Yに増加した新株が交付されてしまい,Yが上記新株を売却処分したことについて,上記新株の売却代金相当額の不当利得返還等を請求した事案である。
2 事実経過の概要は,次のとお...
《解 説》
1 本件の事案の概要と争点は,「第1事案の概要と争点」のとおりである。①は専ら事実認定に関する争点であり,法律上の争点は②である。争点②について,本判決は,治療中止を適法とする根拠とされている患者の自己決定権と医師の治療義務の限界という2つのアプローチについて検討し,いずれのア...
《解 説》
1 事案の概要
広島市及び長崎市に投下された原子爆弾に被爆した被爆者に対して,各種の手当を支給する措置が,「原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律」(以下「旧原爆特別措置法」という。)及び「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」(以下,「被爆者援護法」といい,旧原爆特別...
《解 説》
1 本件は,機械メーカーであるXが,①主位的請求として,ゲーム機等を販売する米国の会社であるAの意向を受けて開発,製造した商品を順次XからY,YからAに継続的に販売する旨の契約が成立したと主張して,Yに対し,同契約の債務不履行に基づき商品の開発,製造に要した費用,得べかりし利益...
《解 説》
1 本件は,被告人が,①市営住宅の1階にある元妻方の玄関ドア(金属製開き戸で厚さ約3.5cm,高さ約200cm,幅約87cmのもの)を金属バットで叩いて凹損させるなどし(損害額2万5000円相当),もって建造物を損壊した,②裁判所の勾留質問室で,前記建造物損壊被疑事件につき勾留...
《解 説》
1 本件は,被告人が,道路標識により最高速度が50km毎時と指定されている一般道路において,その最高速度を30km超える80km毎時の速度で普通乗用自動車を運転したという,道路交通法違反の事案であり,被告人が,罰金6万円の略式命令を不服として,正式裁判を請求したものである。
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《解 説》
1 本件は,被告(大阪府知事)が,建築基準法43条1項ただし書に基づき,訴外Aに対し,A所有の敷地(以下「本件敷地」という。)上の建築物についてした,いわゆる接道義務を免除する旨の許可(以下「本件許可」という。)につき,その敷地に隣接する土地を所有し,かつ,本件敷地の近隣に居住...
《解 説》
1 本件は,自殺した市立中学3年生の男子生徒Aの両親(X1,X2)が,Aの自殺は学校における同級生によるいじめが原因であり,教員らがこれを阻止しなかったことが安全配慮義務に違反すると主張して,市(Y1)に対しては国家賠償法1条1項に基づき,県(Y2)に対しては同法3条1項に基づ...
《解 説》
1 事案の概要
平成16年度高根沢町議会は,全国町村議会議長会が行う町村議会議員等の福利厚生事業である互助事業(以下「本件互助事業」という。)に,同町町議会議員全議員22名について,1名当たり10口加入し,これにより,議員1名につき1万4700円,合計32万3400円の負担金...
《解 説》
1 事案の概要
高知県民であるXらは,高知県情報公開条例(平2高知県条例1号。平14高知県条例6号による改正後のもの。以下「本件条例」という。)に基づき,Y(県警本部長)に対し,X1は県警本部捜査第一課及び暴力団対策課の,X2は捜査第二課の,それぞれ平成14年度の国費,県費に...
《解 説》
1 本件は,原告X1及びX2がそれぞれ高知県情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき,被告に対し高知県警察の平成14年度における国費及び県費による捜査費支払証拠書の開示を請求したところ,被告が部分開示又は非開示とする処分をしたことから,その非開示処分の取消しを求めた事案...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。A(被災時23歳)は,平成14年3月に大学を卒業し,同年4月,食品の販売,輸出入等を業とするB社(以下「本件会社」という。)に入社した。Aは,本件会社に入社後,平成14年4月に本件会社U支社営業部販売第一課に配属され,他の社員の補助として業...
《解 説》
美容室等を営むXらは,美容機器の製造・販売等を目的とする会社であるYらから,レーザー光線を利用した脱毛機及びその関連資材を購入する旨の売買契約を締結したところ,本件脱毛機はYから説明された程度の性能を有していないなどとして,Yらに対し,売買契約の錯誤無効又は詐欺取消しによる代金...
《解 説》
Xらは,貸金業者であるYから継続的に金銭の借入れ及び返済をしていた者であるが,Yに対し,利息制限法所定の利率を超えて支払ったとしてYが取得した過払金の返還を求め,提訴した。本件においては,Yが貸金業の規制等に関する法律43条1項所定の利息のみなし弁済規定の適用がないこと,過払金...
《解 説》
1 本件は,Y1との間でマーケティングサポート業務委託契約を締結していたX(Y1の保険募集代理店とも共同募集契約を締結していた)が,Y1の社員であるY2,Y3から共同募集契約の解消を求められて暴言や暴力的行為を受け,あるいはY1との業務委託契約を解消するよう仕向けられ,不当に契...
《解 説》
1 本件は,Yが設置する市立中学校の生徒であった弟X1,姉X2及びその父親X3がYに対し国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を請求するものであり,X1が放課後に公園に集まった同級生であった生徒6名から,「対戦」と称して暴行を受け受傷したことにつき,集団による暴行(いじめ)を受け傷...
《解 説》
1 訴外A(昭和12年生)は,平成3年11月8日から平成8年11月22日までの間,Yの開設するB医院において,慢性副鼻腔炎の治療のため通院していたが,平成9年2月,他の病院での診断の結果右上顎癌と確定診断され,同年8月27日,大学病院で開頭手術を受けたものの,同年12月14日,...
《解 説》
1 本件は,初老期痴呆(認知症)に罹患していたA(女性,死亡当時60 歳)が,平成17年3月特別養護老人ホームに短期滞在していた際,食事中にメロンパンを誤嚥し窒息して死亡したとして,①その相続人である夫のX1,子ら(X2,X3)が,法定相続分に応じ,保険会社Y1との普通傷害保険...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,種苗法に基づき品種登録されたエリンギ(平成11年2月1日出願,平成14年9月4日品種登録。以下,この品種を「ホクト2号」という。)の育成者権を有するX(控訴人・原告)が,Y(被控訴人・被告)対し,Xの育成者権を侵害しているとして,差止めと,補償金及び損...
《解 説》
1 本件は,自らを祈祷師であり,神様であると称していた被告人Aが,その信者であり,Aに次ぐ神的存在とされていたB,Aの信者であったC,及びAの子であるDとともに,Aの信者であった被害者らに対し,狐が憑いたから浄霊するなどとして,太鼓のばちや手拳で殴打したり,蹴り付けたりする「御...