最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦の終結前の日本統治下における台湾に設置された台湾総督府癩療養所楽生院(以下「楽生院」という。)に入所していた申立人ら(基本事件原告ら)が,平成18年法律第2号による改正前のハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律(以下「改正前ハンセン...
《解 説》
1 本件は,入国審査官から出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)24 条4 号ロ(不法残留)に該当するとの認定を受けた後,口頭審理請求権を放棄した原告が,入国審査官による口頭審理請求権の告知に違法な点があったとして,退去強制令書発布処分(以下「本件処分」という。)の...
《解 説》
1 本件は,中国残留邦人であるA(日本人)の実子及びその配偶者又は孫として本邦の上陸許可を得たXら(在留資格はX3,6が実子として「日本人の配偶者等」,X1,2,4,5,7が実子の配偶者又は孫として「定住者」)が,後にX3,6がAの実子でないことが判明してXらの上陸許可を取り消...
《解 説》
1 本件は,原告所有の別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について,半田市長が平成15年度固定資産税の課税標準となる価格を42億4795万1657円と決定し,同価格を固定資産課税台帳に登録したことから,同価格が過大に過ぎると主張する原告が,被告に対して審査の申出を...
《解 説》
1 本件は,岡山市の住民である原告らが,岡山市病院事業管理者の地位にあった被告Aに対する期末手当加算金の支出が地方自治法等に違反すると主張して,被告Aに対し,岡山市に代位して支出済みの平成13年度の期末手当加算金の返還を求め(甲事件),さらに,被告病院事業管理者に対し,被告Aに...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X1ないしX9ら9名は,Yの従業員であった。Yの関連会社であるK社の取締役であったAは,平成15年6月,K社を退職し,同年7月1日,競業会社であるN社を設立した。K社の全従業員の約3分の1にあたる約500名は,平成15年7月11日,一斉にK...
《解 説》
Aは中学2年生の男児であって,200メートル個人メドレーをバタフライ,背泳,平泳ぎ及びクロールで泳ぎ切ることのできる能力を有しており,Y1の設置するスイミングスクールに通っていた者であるが,平成13 年11月のある日,同スクールにおいてジュニアコースの進級テストが実施されることと...
《解 説》
1 X2は,Yが開設する病院で,Aを経膣分娩により出産しようとした。B医師がクリステレル圧出法及び吸引分娩を行ったところ,頭部だけが娩出し肩甲部が恥骨につかえて娩出が困難となる肩甲難産の状態に陥り,その46分後,重度仮死の状態でAが娩出され,間もなく死亡した。Aは,出生前日の推...
《解 説》
1 本件は,遺言者とされる亡Aの妻Xと,亡AとXとの間の長男Yとの争いで,家庭裁判所において検認された自筆証書によるAに係る遺言(本件遺言)の無効確認を求めた事案である。本件遺言に係る自筆証書は,カレンダーの裏面に書かれた書面と封筒から成り,(1)書面には,遺言者の署名及び押印...
《解 説》
1 本件は,Xらが,Aの遺産についてXらとYらとの間でされた遺産分割協議の無効確認を求めた事件である。XらとY1はいずれもAの実子であり,Y2はY1の妻である。Aの生前,Y2とAとの間の養子縁組の届出がされていたため,本件遺産分割協議は,Xら及びYら4人の間で行われた。その内容...
《解 説》
1 事案の概要
債務者は,船舶及び海洋構造物の設計,製造等を目的とし,大阪証券取引所第1部に上場する株式会社であり,その発行済株式総数は4480万7917株であった。
債権者は,他者名義を含めると994 万9800株(発行済株式総数の約22.21%)を保有する債務者の筆頭株...
《解 説》
1 本件は,保険金請求権について,その相続人から譲り受けた者が,保険会社に対して,支払いを求めたところ,保険会社が,その相続人で譲渡した者が被保険者を殺害した者であることを根拠に,その支払いを拒絶する事案である。
Aは,自らを被保険者として,Yとの間で,クレジットカード付帯の...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告は,もと被告の従業員であり,被告の有する保護膜形成用材料や熱硬化性樹脂組成物に関する5件の特許権(及びそのうち4件に対応する外国特許)の特許公報に,発明者の1人として記載されている。本件各発明は,いずれも,液晶ディスプレイの材料用の透明な塗膜を形成...
《解 説》
1 原告は,「TEAMS」の欧文字を標準文字で横書きしてなり,指定役務を商標法施行令別表の区分による第39類「鉄道による輸送に関する情報の提供,……」及び第42類「……電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,……」とする商標の商標権者である。本件商標について,商標法50条1...
《解 説》
本件は,原告が,被告らが製造・販売する内服用吸着剤について,①原告の有する特許権を侵害する,②その外観が,原告が製造販売する内服用吸着剤の包装体の外観に類似しており,原告製品の包装体の外観は不正競争防止法2条1項1号の商品等表示に当たるとして,特許法100条1項,2項,102条...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,電話の通話制御システム及び電話の通話制御方法に関する特許発明(本件各特許発明,本件特許発明1及び2)に係る特許権(本件各特許権,本件特許権1及び2)を有するXが,Yが提供する国内電話及び国際電話サービス(Yサービス)は,本件各特許権を侵害すると主張して...
《解 説》
1 事案の概要等
債権者は,放送事業者であり,地上波放送(本件放送)につき,送信可能化権等の著作隣接権を有している。
債務者は,「まねきTV」という名称で,利用者がインターネット回線を通じてテレビ番組を視聴できるようにするサービス(本件サービス)を提供している。本件サービス...
《解 説》
本件は,インターネット上のホームページに掲載された写真(本件各写真)を,Yらが無断で自らのホームページに掲載したことが,著作権侵害(複製権侵害)であるとして,XがYらに対し損害賠償(民法709条)を求めた事案である。原審である横浜地方裁判所は,Xの請求をすべて棄却する判決をした...
《解 説》
1 Xは,宇宙開発事業団(以下「事業団」という。)に任用され,平成15年10月1日にY1の成立に伴って,その職員となった者である。Y1は,事業団を前身とし,人工衛星の開発,打上等の研究開発実施等を業務として,平成15年10月1日に成立した独立行政法人であり,事業団の訴訟承継人で...
《解 説》
1 Xら(いずれも大手レコード会社であり,本件で問題となったヒット曲のレコード製作者(著作権法2条6号)として,当該レコードの送信可能化権(同法96条の2)を有する者である。)は,自身で行った調査により,当該レコードを圧縮・複製して作成された電子ファイルが,氏名不詳者ら(以下「...
《解 説》
1 本件は,医療機関に一般職として勤務しているX(昭和32年生)が,給与所得者等再生手続開始を申し立てた事件である。
2 本件申立てのころにおけるXの資産は,給与収入(手取月額約23万円)のほかは,支給見込退職金(見込額約1800万円),自宅マンション持分(ただし,オーバーロ...