最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,X(県)が,県知事の許可を得てYが県内に設置した産業廃棄物処分場内に違法に埋め立てた産業廃棄物をYが撤去しないときは,Xがその作業を行う必要があるとして,Yに対して,将来これを行った場合に生ずる事務管理に基づく費用償還請求権を被保全権利として,Y所有の自動車の仮差押...
《解 説》
1 本件は,拘置支所におけるC型慢性肝炎患者に対する医療行為の適否及び医師の過失と患者の死亡との間の因果関係の存否,延命可能性の侵害等が主たる争点となった事案である。
2 事案の概要は,以下のとおりである。
Aは,傷害及び覚せい剤取締法違反被告事件の刑事被告人として平成6年...
《解 説》
1 原告は,平成13年11月9日付けで,大分医科大学長に対し,動物実験に関する行政文書の開示の請求をしたところ,大分医科大学長は,同年12月12日付けで,一部を開示する旨の決定(以下「本件部分開示決定」という。)をしたが,原告は,これを不服として大分医科大学長に異議申立てをし,...
《解 説》
1 本件は,ゲームプログラマーの養成を主たる事業目的とする株式会社であるが,ヘアー・メイクアップ・アーティストの育成を目的として,××学院を東京,大阪,名古屋に開校しているXにおいて,名古屋校の講師として採用し,既に退職しているYの在職中の違法な言動によって損害を被ったと主張し...
《解 説》
1 訴外A(昭和29年生)は,平成2年8月31日,東京都中野区内の路上において,マコト交通の従業員Bの運転するタクシーに轢過され,肺挫傷,肋骨骨折等の傷害を負い,同日,胸腔内臓器損傷により死亡した。
Aの遺族であるXらは,平成3年5月23日,第2東京弁護士会に所属する弁護士で...
《解 説》
1(1) X1は,国民健康保険法17条に基づき設立の許可を受け,X2(労働組合)を母体として設立された国民健康保険組合であり,X2の組合員を被保険者とする。X1は,従前用いていたシステムに替わる新システムを開発することとし,Yとシステム開発業務委託契約(本件電算システム開発契約...
《解 説》
1 本判決が認定したところによれば,本件の事実関係はおおむね次のとおりである。Y1の開設する私立高校では,進学校化を進める中で,運営方針をめぐり,Y1と教職員組合との間で激しく対立していたところ,Y1側の理事であるY2と事務局長であるY3,組合対策部長であるY4は,組合側の役員...
《解 説》
1 本件は,Y(医療法人)の開設するN病院に入・退院後,再入院中に死亡したMの遺族(妻子)であるXらが,Mが死亡したのは,担当医師のIが大動脈解離の鑑別診断を怠り,専門医のもとに転医させなかったためであると主張して,Yに対し,債務不履行ないし不法行為(使用者責任)に基づく損害賠...
《解 説》
1 本件事案の概要は以下のとおりである。
X1(事故当時79歳)は,平成10年9月24日,全身麻酔下で開頭術による脳下垂体腫瘍摘出術を受けた。X1は,翌25日から,手術の影響により,せん妄(意識,注意,認知,知覚が障害される病態)の症状を示すようになったため,I医師らは,対話...
《解 説》
1 X1は,平成8年5月24日,出産のためYの開設するB病院に入院し,同日,B病院においてAを出産したが,Aが重症仮死状態であったため,C病院に転送されたものの,平成9年7月16日,C病院において,低酸素性虚血性脳症を原因として発症した肺炎によって死亡した。
そこで,X1とそ...
《解 説》
1 原告は,昭和62年に第1特許出願し,平成9年に特許法44条1項の規定に基づいて,第1特許出願をもとの出願として分割出願した(第2特許出願)。平成11年3月,第2特許出願に対して拒絶査定がなされたため,原告はこれを不服として査定不服審判を申し立て,同審判中になされた拒絶理由通...