最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,建設大臣が,小田急小田原線のうち東京都世田谷区内の喜多見駅付近から梅ヶ丘駅付近までの区間を高架式(嵩上式,一部掘割式)により連続立体交差化することを内容とする都市計画事業の認可(以下「本件鉄道事業認可」という。)及び同区間に沿って付属街路(側道...
《解 説》
第1 事案の概要
本件は,日本が第二次世界大戦に敗戦した前後の混乱の中で,旧満州で肉親と死別又は離別して孤児となったいわゆる中国残留孤児である原告ら(訴訟係属中に死亡した原告1名の相続人を含む。)が,被告が原告らに対する早期帰国実現義務及び帰国後の自立支援義務を怠ったため,「...
《解 説》
1 本件は,承継前被告ら(旧UFJ3社)との間で協働事業化に関する基本合意をした原告が,旧UFJ3社が本件基本合意に基づく協働事業化に関する最終契約を締結する義務に違反した又は独占交渉義務及び誠実協議義務に違反したあるいは一方的に本件基本合意を破棄したなどと主張して,被告らに対...
《解 説》
1 本件は,高等学校公民科現代社会の教科書「新高校現代社会」(以下「本件教科書」という。)に係る教科書検定において,文部大臣(当時)が本件教科書の共同執筆者の一人であるXの執筆部分に対して検定意見を通知したことについて,Xが,①教科書検定制度自体の違憲及び本件の検定手続の運用の...
《解 説》
1 本件は,海面埋立地について時効取得の成否が争われ,その前提として,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの。以下「旧埋立法」という。)に基づく埋立免許を受けて埋立工事が完成した後竣功認可がされていない埋立地(以下「竣工未認可埋立地」という。)が私法上所有権の...
《解 説》
1 本件は,公立病院を開設する地方公共団体が,同病院における未払診療費等約913万円について,被告に連帯保証債務の履行を求めたという事案であり,公立病院における診療に関する債権の消滅時効期間は何年かが争われた。
被告は,公立病院における診療に関する債権は,民法170条1号の「...
《解 説》
1 本件は,東京拘置所に勾留されていたXが脳こうそくを発症し,重大な後遺症が残った事案について,XがY(国)に対し,東京拘置所の職員である医師は,Xに脳こうそくの適切な治療を受ける機会を与えるために,速やかに外部の医療機関に転送すべき義務があったにもかかわらず,これを怠ったなど...
《解 説》
1 本件は,公共嘱託登記土地家屋調査士協会の社員であるXが,同協会Yに対し,平成14年7月に開催されたYの総会におけるXを除名する旨の決議(以下「本件決議」という。)は無効であるとして,本件決議の無効確認とXがYの社員たる地位を有することの確認を求めた事案である。第1審,原審共...
《解 説》
1(1)本件は,差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえたXが,執行裁判所又は担当の裁判所書記官による民事執行手続上の義務違反行為により,先行の差押事件で実施された配当手続において,配当期日への呼出しがなく,配当を受けることができなかったなどと主張して,Yに対し,国家賠...
《解 説》
1 本件は,医療法人の理事長として,私立病院(以下「本件病院」という。)を経営していた被告人が,教育公務員である奈良県立医科大学(以下「奈良医大」という。)の教授兼同大学附属病院診療科部長に対し,その教育指導する助教授以下の医師を本件病院へ派遣するなどの便宜ある取り計らいを受け...
《解 説》
1 本件事案の概要は以下のとおりである。
X(昭和17年生まれの男性)は,平成10月8月,A社の鳶工として屋上広告塔外部足場の解体作業の業務に従事していたところ,5.1メートルの高さから足場ごと墜落する事故(本件事故)に遭い,平成11年1月以降,複数の医療機関を受診して,頚部...
《解 説》
1 X(被控訴人・原告)とAは昭和61年9月13日に婚姻し,2子をもうけたが,平成元年ころから夫婦仲が悪化していた。Aは,平成8年ころからコンビニエンスストアで働くようになり,平成9年夏ころ,その客であったY(控訴人・被告)と知り合い,平成11年6月ころには肉体関係を持つように...
《解 説》
1 本件は,いわゆる同和団体の支部役員の地位にあった被告人4名において,被告人のうち1名がその勤務先の会社から解雇通告を受けるなどしたことを契機として,部落差別による不当解雇の糾弾を装って同社から解雇予告手当名下に金員を喝取しようと企て,同社を訪問の上,応対した同社担当者に対し...