最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,神奈川県(以下「県」という。)の住民である原告(控訴人,上告人)らが,県知事であった訴訟承継前の第1審被告亡Aの平成2年11月12日に皇居正殿松の間において行われた即位礼正殿の儀への参列及び県議会議長であった訴訟承継前の第1審被告亡Bの即位礼正殿の儀及び同月22日か...
《解 説》
1 本件は,原告(控訴人・上告人)が,被告(被控訴人・被上告人)東京都に対し,都税事務所がした固定資産税及び都市計画税の課税処分はその名宛人を誤った違法な職務執行であるとして,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料及び弁護士費用相当額の損害賠償の支払を求めた事案である。
2 原告...
《解 説》
1 本件は,X(原告,控訴人,上告人)が平成5年10月1日から同6年9月30日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)の消費税について,本件課税期間に係る基準期間である同3年10月1日から同4年9月30日までの期間(以下「本件基準期間」という。)の課税売上高が3000万円...
《解 説》
1 本件は,株式会社であるXが,税務署長であるYから,平成7年5月1日から同9年4月30日までの2課税期間の消費税更正処分,同8年5月1日から同9年4月30日までの課税期間の地方消費税更正処分並びにこれらの各更正処分に係る過少申告加算税賦課決定を受けたことから,これらの処分(前...
《解 説》
1 本件は,平成7年9月に設立された食料品の販売及び飲食店の経営等を業とする株式会社であるA社の株主であるXが,A社が設立時から平成12年6月までの間に,A社の定款及び商法269条,279条1項に違反して,株主総会の決議を経ることなく取締役及び監査役に対して取締役報酬及び監査役...
《解 説》
1 事実関係,訴訟経過等
Yは,診療所の経営を目的として平成3年11月に設立された社団たる医療法人であり,Yの出資の名義人は,AとXの2名である。なお,Yの設立当初の理事は,A(理事長),X及びAの母親の3名であり,Xは,少なくとも,平成8年5月には理事の地位にあった。
X...
《解 説》
1 本件は,刑事未成年者である少年(当時12歳)が,マンション4―5階の踊り場から,遊び相手の男の子(当時5歳)を突き落として重傷を負わせたという事件に関するものである。
同事件は,①触法(殺人未遂)保護事件,②強制的措置許可申請事件(少年法6条3項,18条2項,児童福祉法2...
《解 説》
1 本決定は,高速道路建設予定地等に対する明渡裁決の執行(代執行手続の続行)の停止を命じた原地裁決定を取り消した抗告審決定である。
2 抗告人国等の起業者は,都心から約40ないし60km圏に位置する都市を相互に連絡し,放射状の幹線道路と接続して環状に走る総延長約300kmの自...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,内閣総理大臣である小泉純一郎が平成13年8月13日に靖國神社へ参拝したこと(本件参拝)によって,原告ら(以下,原告らの一部についても単に「原告ら」という。)が,その「戦没者が靖國神社に祀られているとの観念を受け入れるかどうかを含め,戦没者をどのように回...
《解 説》
1 本件は,山口市の住民である控訴人(原告)らが,山口市長である被控訴人(被告)に対し,前市長を相手とする平成14年改正前の地方自治法(以下「旧法」という。)242条の2第1項4号に基づく別件住民訴訟に関して前市長が支払うべき弁護士報酬を同市が負担することは旧法242条の2第8...
《解 説》
1 石川県は,加賀の一向一揆でも知られるように,浄土真宗の寺院や信徒が多い土地柄であるが,同県Y市立図書館は,その開館に当たって,同市内の浄土真宗大谷派に属する寺院からその所蔵する「白華文庫」(同派僧侶であった松本白華が個人的に収集した宗教書等の蔵書)の寄贈を受けて一般の閲覧に...
《解 説》
1 本件は,X1会社の従業員であったY1がX1会社を解雇され,解雇が有効であるとの判決が確定後(平成14年6月27日)も,加入している労働組合Y2及びその組合員Y3らとともに,X1会社本社前,当時のX1会社の代表取締役であったX2宅前等で,本件解雇は不当である等の街宣活動等を繰...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,Y証券会社から他社株式転換条項付円建債券(他社発行の普通株式を転換対象株式として,当該転換対象株式の株価動向により,債券額面金額の金銭又は転換対象株式で償還する仕組みの社債。以下「EB」という。)及び日経225株価連動円建債券(日経225平均株価指数と...
《解 説》
本件は,被告Y1が発注し,被告Y2が設計し,被告Y3が近隣商業地域である東京都大田区山王に建設した8階建てマンション2棟によって,近隣に居住している原告らが,日照被害,プライバシー侵害,住環境破壊,建築工事による騒音・悪臭被害を受けたと主張して,不法行為に基づく損害賠償として慰...
《解 説》
1 本件は,弁護士で患者側の立場から医療過誤事件に取り組んでいるXが,「モンダイの弁護士」と題する本件書籍(1万8000部発行)に掲載された「医療事故の闇弁護士村,その『沈黙の共謀』! 弁護士とは,心の通わない『歩く六法全書?』」と題する本件ルポ中の記述により名誉を毀損されたと...
《解 説》
1 本件は,被告病院(大学病院)において診察を受け,完全房室ブロックと診断されて,ペースメーカー植込み手術を受ける目的で同病院に入院していた患者(昭和17年生,女性)が,手術予定日の前日に心臓発作を起こして死亡したことにつき,患者の夫及び長女が,診察後速やかにペースメーカー植込...
《解 説》
1 Xは,平成11年9月27日,慢性中耳炎のため,Aクリニックで受診したところ,両耳の鼓膜に穿孔が認められ,中耳炎の原因になると診断され,鼓膜穿孔をふさぐ手術を受けるため,Yが開設するB病院を紹介された。
Xは,その後B病院で受診したところ,両鼓膜に中等度の大きさの中心性穿孔...
《解 説》
1 Y社(被告・被控訴人)は,平成10年に設立された有限会社であるが,平成14年8月2日に臨時社員総会を開催し,X(原告・控訴人)を取締役から解任する旨の決議を行った。Xは,自らがY社の唯一の社員であるにもかかわらず,本件社員総会は訴外Aを社員として開催されたものであるから不存...
《解 説》
1 勤務先の建設会社の受注した護岸工事において,同会社所有のダンプトラックを用いて資材置き場から採取した石及び砕石を運搬する作業に従事していた訴外Aは,泥道の急斜面の仮設道路上に同トラックのエンジンを掛けたまま,ギアをニュートラルにし,サイドブレーキを引いて,車輪に石で車止めを...
《解 説》
1 Xは,かつてY会社の代表取締役の地位にあった者である。本件において,Xは,Y会社の代表取締役兼従業員であったとして労働契約に基づき,賃金等231万円の支払を求めるとともに,Y会社が特許権者として登録されている抗ダイオキシン健康食品に関する特許発明(以下「本件発明」といい,本...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,音楽制作,音楽家の養成,音楽著作権管理,コンサートや各種イベントの企画・制作等を業務とする有限会社であり,主催者ないしその元請からイベント現場の運営や管理について下請を受注し,現場へ派遣する実働員のアルバイト員を登録し,その中から現実のイベント日に実働...
《解 説》
1 本件は,被告人が,当時4歳の甥が自分の新しい布団の上に寝小便をしたことなどに立腹して,同児の両足首をもって逆さ吊りにして,その頭を床に打ち付けたという殺人被告事件(判示第1)と父親に対してフライパンで殴りかかったり,足蹴りするなどして同人に傷害を負わせたという傷害被告事件(...
《解 説》
1 本件の2つの判決は,いずれも指定侵入工具の隠匿携帯の事案であり,①の事件では,特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(以下単に「法」という)4条にいう「業務その他正当な理由による場合」に該当するか否かが,②の事件では,同条にいう「隠して携帯」する場合に該当するか否かが中心的...