最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,有名大学の学生等で構成されるイベントサークル「スーパーフリー」の代表であった被告人が,同サークルのスタッフらと共に順次敢行した3件の準強姦の事案である。本件の被告人及び共犯者らのほとんどが有名大学の現役の大学生であり,また,同サークルでは,被告人を始めとする複数のス...
《解 説》
1 本件は,弁護士Xが,代用監獄である大阪府警察曽根崎警察署に勾留中の被疑者甲及び同旭警察署に勾留中の被疑者乙との接見に赴いたところ,検察官の発した「接見等の指定に関する通知書」(以下「通知書」という。)のため,留置担当官から即時の接見を拒絶されるなど接見を妨害されたなどと主張...
《解 説》
1 本件は,長野県北佐久郡御代田町所在の山林(以下「本件土地」という。)を取得したXが,その取得に関してY(長野県佐久地方事務所長)から受けた不動産取得税賦課決定の取消しを求める事案である。
2 不動産取得税の課税標準は,不動産を取得した時における不動産の価格とされている(地...
《解 説》
1 土庄町の住民であるX(上告人)は,平成12年12月21日,土庄町情報公開条例所定の実施機関であるY(被上告人)に対し,「平成12年12月定例土庄町議会においてなされたA議員の質問部分及びそれに対する答弁(回答)部分の収録された録音テープの全部」の公開を請求した。ところが,Y...
《解 説》
1 本件は,退去強制令書により身柄を拘束された申立人が,仮放免の許可申請につき不許可処分を受けたことから,当該不許可処分の取消し及び国家賠償を求める訴訟を提起した際に,訴訟上の救助を申し立てたという事案である。原々審は,救助の範囲を限定することなく,訴訟上の救助の決定をした。相...
《解 説》
1 本件は,破産者が株式会社であって,破産管財人が別除権の目的物を破産財団から放棄した場合において,別除権者が破産者の破産宣告当時の代表取締役(以下「旧取締役」という。)に対してした別除権放棄の意思表示が有効であるかどうかが争われた許可抗告事件である。
なお,本件は,平成16...
《解 説》
1 業務上過失致死被告事件の被害者の遺族Aから,同事件の係属する東京地裁に対し,犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(以下「犯罪被害者保護法」という。)3条1項による訴訟記録の謄写の申出がなされた。東京地裁は,検察官及び上記事件の被告人Xの意見を聴い...
《解 説》
1 本件は,刑訴法366条1項の付審判請求への類推適用の有無が問題となった事案である。
2 本件に至る訴訟経過を摘記すると,次のとおりであるn平成15年5月22日 申立人,当時の福岡高検検事長ほか3名を公務員職権濫用罪等で告訴
11月17日 検察官,同事件につき公訴を...
《解 説》
1 本判決は,百日せき・ジフテリア・破傷風の3種混合ワクチンの予防接種による後遺障害に関する国家賠償請求事件である。
X1(当時4歳,女児)は,昭和63年1月,福島県A郡B村において,3種混合ワクチンの集団予防接種を受けたところ,4日後から発熱により急性脳症が発症し,その後け...
《解 説》
1 清瀬市(A市)は,都知事から,都の所有に係る都営住宅の一部につき,これを「学童クラブ」に使用するとの条件で使用許可を受け,かつ,使用料を免除されたが,現実には清瀬わかば会(B)なる団体に障害者授産施設として使用させていた。都は,都の住民のした住民監査請求の結果を受けて,A市...
《解 説》
1 本件は,看護専門学校准看護科に通いながら,被告経営の病院に看護助手として勤務していた原告が,せん妄状態に陥りベッド上で激しく暴れた患者(C型肝炎ウイルスに感染していた。)の体を押さえつける作業(抑制作業)に従事中,当該患者に噛まれて,その約半年後に劇症肝炎・C型肝炎と,その...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,大学病院の手術にミスがあり,患者が死亡した疑いがあるとして,新聞・テレビ・週刊誌等で大きく報道された件についての訴訟であり,大学病院を設置する学校法人(X1)と手術の執刀医(X2)が,手術にミスはなく,当該手術の立会医師で報道の契機となった情報提供者(...
《解 説》
1 本件は,久留米市(Y)が建設中の一般廃棄物最終処分場(以下「本件処分場」という。)について,建設予定地周辺の住民であるXらが,Yに対しその建設の差し止めを請求した事案である。原審は,Xらの請求を棄却したので,Xらが控訴し,本件はその控訴審判決である。
2(1) Yは,従前...
《解 説》
1 訴外Aは,平成5年4月27日,Yの開設管理するB病院において出生したが,その後もB病院において検診を受けていた。
Aは,平成5年12月23日,喘鳴及び発熱のため,B病院に入院したが,同月28日,症状が軽快したとして退院した。
しかし,Aは,平成6年1月1日,高熱となり,...
《解 説》
1 Xは,発明の名称を「電磁波シールドプラスチック成形品」とする特許発明(甲発明)及び「電磁波シールドプラスチック成形品の製造方法」とする特許発明(乙発明)の特許権者である。Y1及びY2は,Y3の注文と指示に基づき,プラスチック成形品(被告製品)を製造し,Y3は,これを販売して...
《解 説》
1 本件で問題とされた商品「ヌーブラ」(以下「原告商品」という。)は,米国ブラジェル社が開発,商品化した商品であり,ストラップ及び横ベルトがなく,また,何らの部品を使用することなく乳房に直接粘着させる,従来存在しなかった構造,形態のブラジャーであり,平成14年10月,米国及び台...
《解 説》
1 本件は,XがYに対して,YがXの販売する耐震補強金具に関して虚偽の事実を記載した書面を配布したことが,不正競争防止法2条1項14号の虚偽事実の告知又は流布行為に該当すると主張して,文書の配布の差止め等を求めた事案であり,その概要は,以下のとおりである。
Xは,家屋の殺鼠,...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告の輸入した医療用漢方薬(以下「KM」という。)を服用したことにより腎不全に罹患したとして,原告が被告に対し,製造物責任法に基づき,治療費及び後遺障害による損害等の賠償を請求した事案である。
争点は,①KMの製造物責任法上の欠陥の有無,及び②治療費...
《解 説》
1 本件は,京都の専門学校の理事長である女性が大通りに面した同校の駐車場で刺されて死亡したという事件であって,中国の古美術品である兵馬俑の取引に関連して殺害されたことを示唆する報道がなされたことなどから社会的関心を集めた。しかし,実行犯を特定するに足りる直接証拠がなく,事件の背...
《解 説》
1 本件において,原判決が認定した罪となるべき事実の要旨は,
「被告人両名は,被害者Xを殺害しようと企て,共謀の上,法定の除外事由がないのに,
第1 本件当日午後6時10分ころ,不特定もしくは多数の者の用に供される場所である東京都E区内の斎場において,殺意をもって,Xに向けて...