最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,Yの従業員であったXが,在職中にした本件各発明につき,Yに対し,特許法35条3項に基づく相当の対価の支払を請求し,これにつき原判決がXの請求を一部認容したのに対し,当事者双方が,これを不服として,控訴を提起した事案である。
本判決は,本件発明1(楕円発光半導体レー...
《解 説》
1 事案の概要
(1) ①事件は,内閣総理大臣である被告小泉純一郎(以下「被告小泉」という。)が平成13年8月13日に靖國神社を参拝した(以下「本件参拝」という。)ことから,原告ら(631名)が,被告小泉及び被告靖國神社に対しては不法行為に基づき,被告国に対しては国賠法1条1...
《解 説》
1 本件は,弁護士である原告が,刑事事件の公判廷等における拘置所職員の行為及び担当裁判官の訴訟指揮並びに弁護人と在監中の被告人との間の信書の授受に関する制限によって被告人との秘密交通権が侵害されたとして損害賠償を請求した事案であり,その概要は次のとおりである。
強盗罪で起訴さ...
《解 説》
1 本件は,公務員の出勤簿に記録された情報が情報公開条例所定の非開示情報である個人に関する情報に当たるかどうかが問題となった事件である。
富山県(以下「県」という。)の住民であるX(被控訴人,被上告人)は,旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年富山県条...
《解 説》
1 本件は,自動車事故を装った方法により女性の被害者を自殺させて保険金を取得しようと企てた被告人が,暴行,脅迫を交え,被害者に,漁港の岸壁上から乗車した車ごと海中に飛び込むように執拗に命令し,自殺の決意を生じさせるには至らなかったものの,被告人の命令に応じて車ごと海中に飛び込む...
《解 説》
1 本件は,知的障害を有する児童であるX1及びX2が,就学していたY市立A小学校の校長が教育環境の整備を怠ったため不登校の状態となった上,同校長が不登校状態となったX1及びX2への働きかけを怠り,Y市教育委員会も校長らに対する不登校状態の解消等に向けての適切な指導等を怠ったため...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。XはYの従業員であったが,平成14年5月31日,Yに対し,同年6月10日付で退職するとの申し入れをした。ところが,Yは,平成14年6月6日,Xを懲戒解雇するとの意思表示をした。懲戒解雇の理由は,Xが,顧客18社に対する2134万1500円に...
《解 説》
1 本件は,国内商標者の商標と同一又は類似の標章を付した商品の輸入,販売をしようとする者(X)が,国内商標権の専用使用権者(Y)を相手として,右行為は真正商品の並行輸入に当たるので実質的違法性を欠くとして,Yは本件商標権の専用使用権に基づく差止請求権を有しないことの確認を求めた...
《解 説》
1 第1事件は,原告が建築した建物について,著作権侵害と不正競争防止法2条1項3号の形態模倣が問題となった事件である。原告は,高級注文住宅「グルニエ・ダイン」シリーズを企画開発したが,被告が住宅展示場において建築した注文住宅(以下「被告建物」という。)が「グルニエ・ダイン」シリ...
《解 説》
1 事案の概要
本訴は,被告(反訴原告,以下「被告」という。)から,クレジットカード利用契約に基づき,継続的に貸付け等を受け,順次返済を繰り返していた原告(反訴被告,以下「原告」という。)が,利息制限法所定の利率で利息等を計算すると過払いが生じるとして,不当利得返還請求権に基...
《解 説》
1 本件訴訟は,当初,Y(なお,本件では,Yのほかに2名の被告がいたが,取下げあるいは和解により終結しているため,説明は割愛する。)に対する競売の方法による共有物分割訴訟として提起されたが,共有土地は当事者の合意に基き売却され,分割請求自体は取り下げられた。Xは,上記取下げの前...
《解 説》
1 本件は,相手方がした給与所得者等再生(予備的に小規模個人再生)の申立て(以下「本件申立て」という。)について,給与所得者等再生による再生手続を開始した原審に対し,再生債権者である抗告人が,本件申立てには,民事再生法25条4号所定の申立棄却事由(不誠実申立て)があるとして即時...
《解 説》
1 本件は,有価証券の売買,その取次業務等を目的とする株式会社に勤務し,顧客の勧誘等の営業活動に従事していた被告人が,会社代表者Aと共謀の上,株式売買の仲介等を仮装して一般投資家から株式購入代金等名下に金員を騙し取ろうと考え,平成11年9月から同12年5月までの間(同12年1月...