最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本決定は、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)建設予定地において、東京都知事が東京都収用委員会の収用裁決に基づいて行う土地収用の代執行手続の停止を本案判決の言渡し日の一五日後までに限り認めた決定として、マスコミ等でも広く報道されたものである。
二 申立人らは、圏央道日の出IC...
《解 説》
一 本件は、韓国人であるAが二年半以上前から別居している日本人の夫Bと協議離婚をする旨の届出をした翌日に、法律上の婚姻関係のない日本人Cを父として出生した甲につき、出生の八か月余り後にBと甲との間の親子関係不存在確認の訴えが提起され、その判決確定の四日後にCにより認知がされたと...
《解 説》
一 本件は、福岡県(以下「県」という。)の住民である原告が、平成八年一〇月一四日、福岡県情報公開条例(昭和六一年福岡県条例第一号。平成九年福岡県条例第六二号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)に基づき、被告に対し、(1)県警察本部総務課の平成七年度の懇談会費支出に係る...
《解 説》
一 事案は、広域暴力団山口組の幹部で山健組組長である被告人が、遊興等のため、大阪から上京した際、被告人の警護を担当するスワットと称されるボディーガード(組員)らと共謀の上、同人らに適合実包の装填されたけん銃五丁等を所持させた(けん銃加重所持罪)というものである。
被告人は、本...
《解 説》
本件は、原告が行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づいてした行政文書開示請求に対し、被告がした不開示決定処分(以下「本件処分」という。)の取消訴訟である。本件訴えは、平成一三年一二月二五日に提起されたが、その後被告が平成一四年七月一一日付け...
《解 説》
一 本件は、京都府の住民である原告らが、府の公共土木事業用地の取得に伴う登記、測量及び調査等の業務について、府が平成七年度及び同八年度に土地家屋調査士の任意団体、司法書士の任意団体及び測量業者の任意団体の三団体との間でそれぞれ締結した業務委託契約(以下「本件各契約」という。)は...
《解 説》
一 原告A(昭和五七年九月一二日生)は、平成一三年三月に高校を卒業し、短大に入学するまでの春休み期間中を利用して被告E株式会社(被告会社)でアルバイト従業員として働いていたものであるが、被告会社の正社員でありアルバイト従業員を指揮監督する立場にあった被告Dが、三度にわたり、残業...
《解 説》
一 本件は、車いすを利用している控訴人(原告)が、被控訴人(被告)東日本旅客鉄道株式会社(以下「被控訴人JR」という。)に対し、小海線及び五能線を運行する車両に車いす対応トイレが設置されていないことは、憲法一三、二二条(「旅をする自由」)及び一四条等に違反する人格権の侵害であり...
《解 説》
一 原告は、身体障害のため、車いすを利用しているが、JR東日本が運行する小海線(小淵沢―小諸)、五能線(川部―東能代)に車いすに対応したトイレが設置されていないため、両線を利用した旅行を断念せざるを得なかった。そこで、JR東日本に対して両線への車いす対応トイレの設置と損害賠償を...
《解 説》
本件は、Xら九名が、元宗教法人法の華三法行(Y1)と法の華の教祖(Y2)に対し、Yらの足裏診断や個別面談等の勧誘方法は、金員を収奪することを目的とし、害悪を告知してXらを不安に陥れて困惑させ、長時間の勧誘により判断力を低下させて出捐させるなどの手段を用い、不当に高額な出捐をさせ...
《解 説》
一 本件は、島根県安来市にある会社(Y1)の従業員(Y2)が、仕事を終え、通勤用の自転車を運転して帰宅途中にX運転の自転車と衝突して起こした交通事故について、被害者Xから、Y1及びY2に対し、損害賠償を求めた事案である。その中心的争点は、Y1が、Y2が起こした同事故につき民法七...
《解 説》
一1 本件は、A(昭和四三年生)が、被告の経営するB医院において、同院の院長であるC医師の観察及び処置の下で出産したが、その後Aが死亡したことから、C医師の分娩時及び出産後の処置に過失があったとして、Aの夫及び子であるX1、X2が、被告に対し、不法行為(使用者責任)に基づく損害...
《解 説》
一 訴外Aは、平成四年一〇月七日、交通事故に遭って外傷性くも膜下出血等の傷害を負い、Yの経営する病院に入院して治療を受けていたが、同月二〇日、急性壊死性膵炎により死亡するに至った。
そこで、Aの遺族であるXらは、担当医師には、急性膵炎に罹患しているAに対し、適切な治療を施さな...
《解 説》
一 訴外Aは、平成六年七月、Yの経営するB病院において、帝王切開の方法により出生したが、先天的なファロー四徴症が発症したため、B病院に入院して薬剤投与等の治療を受けていたが、平成六年一一月、症状の改善がみられないため、ファロー四徴症に対する姑息手術(以下「本件手術」という)を受...
《解 説》
一 本件は、東京高決平15・3・12家月五五巻八号五四頁と同様、子の監護者決定における裁判官の判断基準と、家庭裁判所調査官(以下、調査官と称する)の調査の問題を提起している。従来の離婚判決においては示されることの少なかった問題であるが、人訴法改正の際論議された問題でもあり、家庭...
《解 説》
一 本件は、整理回収機構が、破綻した北海道拓殖銀行(拓銀)の元取締役らに対して提起した損害賠償請求訴訟である。
二 平成二年一月一〇日から二月にかけて、拓銀千葉支店は、以前から取引のあるMの要請に応じ、株式会社栄木不動産を振出人、他の銀行を支払人とする小切手を、Mが同支店に持...
《解 説》
一 X(反訴被告)は精米機の製造・販売を業とする会社であり、Yらは無洗米に関する特許権(特許権①)及びその製造方法に関する特許権(特許権②)を共有するものである。Y1(反訴原告)は、X同様に精米機等を製造しているが、Xの製造する無洗米製造装置により製造された米がYらの特許権を侵...
《解 説》
①事件、②事件は、いずれも、控訴審の審理途中で被告人が所在不明となった事案である。①事件は、一審で罰金刑となった被告人が無罪を主張して控訴し、控訴審において、その最後の住居において公判期日の召喚状が二度にわたって送達され、被告人はこれに対して異議を述べなかったが、その後転居し、...
《解 説》
一 事案の概要
Xらの第一子Aは、出生後まもなく、重度の障害を伴うペリツェウス・メルツバッハル病(以下「PM病」という。)に罹患している疑いを、Y所属のB医師(PM病についての専門的知識を有する小児科医)に指摘され、Xらに連れられて、Yの医療施設を定期的に受診していた。Xらは...