最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
本件は、被告国立市が都市計画法二〇条に基づき平成一二年一月二四日付けで告示した「中三丁目地区地区計画」(以下「本件地区計画」という。)及び被告国立市長が建築基準法六八条の二に基づく建築物の制限に関する条例として同年二月一日付けで公布した「国立市地区計画の区域内...
《解 説》
一 被告有限会社日本エム・エム・オー(Y1)は、利用者のパソコン間でデータを送受信させるピア・ツー・ピア技術を用いて、中央サーバ(Yサーバ)を設置し、インターネットを経由してYサーバに接続されている不特定多数の利用者のパソコンに蔵置されている電子ファイルの中から、同時にYサーバ...
《解 説》
一 本件は、現職国会議員によるいわゆるゼネコン汚職政界ルート事件として著名な事件である。すなわち、K建設の副社長であった被告人Aが衆議院議員である被告人Bに対し、建設会社の談合組織である埼玉土曜会による独禁法違反事件に関し、公正取引委員会が同社等を告発しないよう公取委の委員長に...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、日本国内で生まれ育ち、昭和二〇年八月九日、徴用のため居住していた長崎市内で原子爆弾に被爆したが、戦後、韓国に帰国し、以後、同国内に居住していた。その後、Xは、平成六年七月に治療目的で来日した際、長崎市長から被爆者健康手帳の交付を受け、同年八月から健康管理...
《解 説》
一 本件被控訴人(原審原告)は、茨城県内に土地を所有していたところ、同土地付近において土地改良事業が行われることになったが、換地により本件被控訴人に取得させる土地の面積が多めに減歩されていた。そこで、本件被控訴人は、茨城県知事を被告として換地計画決定無効確認請求訴訟(以下「第一...
《解 説》
一1 本件は、東京都港区赤坂の土地(本件土地)の所有者であり、固定資産税の納税義務者であるA(平成七年中に死亡したため、選定当事者であるX〔原告・被控訴人〕らが審査申出人たる地位を承継した。)が、本件土地に係る平成六年度の土地課税台帳に登録された価格(一八億六九九八万七七三〇円...
《解 説》
一 本件は、被告(中労委)が、原告(東海旅客鉄道株式会社)に対し、同社の新幹線鉄道事業本部東京運転所科長Aが補助参加人(ジェイアール東海労働組合)に加入する組合員甲、乙、丙三名に対し、組合脱退勧奨等の不当労働行為を行ったとして、救済命令(脱退勧奨を行うことにより、補助参加人組合...
《解 説》
一 本件は,外車の並行輸入業者であるYに申込金一八〇万円を支払って並行輸入を依頼したXが,その輸入手続が遅れたことなどを理由にその購入申込みを撤回したところ,Yは,すでに売買契約が成立していることから購入申込みの撤回の意思表示はその効力を生じないと主張し,仮に申込みの撤回が認め...
《解 説》
一 Yは、単独で、又は同郷の後輩Aと共謀して、勤務先のガソリンスタンドにおいて、顧客が代金を支払うために提示したX発行のクレジットカードの磁気情報を、顧客に無断で、ハンディスキマーと称する磁気読取り装置を使用して読み取り、この磁気情報を第三者に有償で売却した。第三者又はこれと意...
《解 説》
本件は、被告らが原告ら(二世帯、各夫婦と子一人)の居住する木造家屋の北西側(最短距離約二〇メートル)に、高さ最高約五七メートルの二〇階建マンションを建築したために、屋根瓦の飛散等のいわゆるビル風による風害が発生し、原告らが、精神的苦痛を被ったほか、同家屋及び土地は無価値になった...
《解 説》
一 事案の概要
ホテル経営を業とするAと建築請負等を目的とするBはホテル建築工事請負契約を締結し、Yは、Bから、このうち給湯用配管設備工事を下請けした。
右工事完了から約五年七か月経過後、給湯用配管設備のパイプの接合部が抜け、大量の温水等が流出して右建物が水浸しになるという...
《解 説》
一 Xは、平成八年一〇月当時、夫の左官業の手伝いと家事労働をしていたが、同月一九日、原動機付自転車に乗車して、三重県四日市市内の交差点付近を走行中、Y1の運転する乗用車に衝突され、頭部傷害、頚随不全損傷等の傷害を負った。そして、Xは、平成八年一〇月一九日から平成九年一二月三一日...
《解 説》
一 被告の設置する市立**小学校に在籍していた原告(当時二年生)は、担任教諭が教室を離れていた自習時間中に、後ろの席に座っていた児童の差し出した鉛筆が右眼球に突き刺さるという事故(以下「本件事故」という。)に遭い、右目の視力を失った。
原告は、「小学校の指導教諭は、授業中、児...
《解 説》
一 本件の事実関係は次のとおりである。
X1は、Y1会社の元代表取締役A及びAが亡くなった後に代表取締役を務めていたB夫妻の養子で、X2、X3及びX4は、いずれもX1の子である。他方、Y2は、その妻であるY3とともにA及びBの養子となり、Bが亡くなった時点で、Y1会社の取締役...
《解 説》
一 本件は、保険会社であるYとの間で傷害保険契約を締結していたAが、二台の自動車に轢過されるという事故によって死亡したところ、Aの相続人であるXらが、傷害保険契約に基づき、Yに対し、保険金の支払を請求した事案である。
二 Xらは、Aは本件事故現場付近の路上を歩いていたところ、...
《解 説》
一 Xらは、いずれもホモセクシャル(同性愛)もののビデオソフト(本件各ビデオソフト)の製作販売を行っている業者であり、Y1は中古ビデオソフトの販売会社、Y2はY1の代表者である。本件において、Xらは、Y1が市販されている本件各ビデオソフトを小売店で適法に購入した顧客からこれを買...
《解 説》
一 本件は、控訴人(死亡に伴い相続人訴訟承継)が、被控訴人に対し、主位的に、「六代歌川豊国」との表示でした歌川派の家元としての作画活動、講演活動、「歌川」姓の画姓を弟子に与える名取り活動等により、「歌川」姓の雅号又は「歌川」派という浮世絵の流派の名称が同控訴人自身の「営業表示」...
《解 説》
一 本件は、スイス法人Xが、Y(国、所管は大蔵省印刷局)に対して紙幣印刷機等を販売するに当たって、秘密技術情報の提供、開示をしたと主張して、当該技術情報の開示の差止め、秘密保持義務の確認及び損害賠償を求めた事案であり、本判決は、東京地判平12・4・26本誌一〇三四号二四四頁、判...
《解 説》
一 X(買受人、申立人、抗告審相手方)は、岐阜地方裁判所がした不動産競売手続においてY(執行債務者、原審相手方、抗告人)所有の岐阜市内の宅地(以下「本件土地」という。)ほか三筆を買い受けた上、同裁判所から、本件土地ほか三筆の土地につきYに対する民事執行法八三条一項に基づく不動産...
《解 説》
本件は、アルツハイマー型痴呆を患う夫である被害者(当時七四歳)との生活に疲れて前途を悲観した被告人(当時七四歳)が、夫を殺害した上自殺しようと決意し、その左胸部を洋包丁で二回突き刺したものの、同人に抵抗されて同包丁を取り上げられ、その後三時間を超えて、救命措置を講じない一方、更...
《解 説》
一 本件は、いわゆる雪印食品食肉偽装事件の判決である。
二 被告人五名は、雪印食品株式会社の幹部職員として、同社食肉部門の部長、課長、ミートセンター長の地位にあって、食肉事業の収支改善責任者や食肉の購買及び供給等の責任者等であったものであるが、平成一三年九月に我が国で初めて牛...
《解 説》
一 本件は、金銭に窮していた被告人(男性)が、会社の同僚である被害者(女性)の部屋の壁に貼ってあった「目標一〇〇万」などと書かれた張り紙を見て、被害者が多額の預貯金を持っていると考え、後日、これを強取しようともくろみ、被害者の部屋に上がった際に、用意していたモンキーレンチで被害...
《解 説》
一 本件事案の概要は、深夜、一人歩きの女性に興味を抱いた被告人がこれを追尾し、所携のナイフを示すなどして同女方居室に押し入ろうとしたが、同女に拒絶されたため、同女が所持していたショルダーバッグを強取して逃走した上、逮捕を免れるため、同女の悲鳴を聞いて追跡してきた男性を前記ナイフ...