最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一1 本件は、京都市の住民であるXらが提起した代位請求住民訴訟であり、これに先立ってXらがした住民監査請求は、昭和六三年四月ないし同年七月分の同和対策費一二〇万円(支出金ア)、同年八月ないし同年一一月分の同和対策費一〇〇万円(支出金イ)、同年一二月ないし平成元年三月分の同和対策...
《解 説》
一 本件は、被告が運営するインターネット上の電子掲示板サービスである「2ちゃんねる」上の動物病院関連掲示板上に書き込まれた文言(以下「本件文言」という。)をめぐり、ひどい動物病院であるとして名指しされた原告動物病院(有限会社・以下「原告病院」という。)と同病院の代表者である獣医...
《解 説》
一 本判決は、特許出願の願書に添付した明細書又は図面の訂正請求の許否の判断の在り方について、注目すべき判断を示した。以下、この点を中心に紹介する。
二 被告は、名称を「動力伝達用チェーン、ガイドリンク及び動力伝達用チェーンの製造方法」とする発明の特許権者である。本件特許は、平...
《解 説》
一 本件は、自動車の所有権取得の準拠法が問題となった事件である。
本件の事案については、概要図を参照されたい。本件自動車は、ドイツで登録され、ドイツ在住の個人BがA社(リース会社)とのリース契約によって使用していたメルセデスベンツ五〇〇SLという高級車である。X社は、ドイツの...
《解 説》
一 事案の概要
本判決は、交通事故に係る業務上過失致死傷被告事件について、最高裁が一、二審の有罪判決を破棄した上、無罪を言い渡したケースである。上告審における無罪の自判は、最一小判平13・1・25刑集二八〇号五頁、本誌一〇五三号一〇二頁以来となる。
事案は、交差点で車と車が...
《解 説》
一 本判決は、仙台市の住民が提起した二件の代位請求住民訴訟の上告審判決である。
二 第一審仙台地方裁判所平成元年(行ウ)第一号事件(第1事件)は、上告人が、仙台市の締結した市有地の賃貸借契約が違法、無効であると主張して提起した代位請求住民訴訟である。
1 判示事項一について...
《解 説》
一 原告(信金)は訴外会社に対する債権を担保するため、経営者の同族A所有の甲不動産及び丙不動産並びにB所有の乙不動産に共同抵当権を設定した。他方、被告(銀行)は、同様に、B所有の乙不動産及びC所有の丁不動産に共同抵当権を設定した。その後、原告と被告とは、乙不動産上の各抵当権を同...
《解 説》
一 訴外Aは、高名な画家である訴外Bが所有していた本件土地につき、Bの登記申請委任状や世田谷区長の作成名義のBの印鑑登録証明書を偽造し、それら偽造書類を使用して、平成八年三月、BからAへの贈与を原因とする所有権移転登記を経由した。その後の同年四月、売買を原因として訴外Cに所有権...
《解 説》
一 事案の概要
1 Y銀行は、東北地方の地方銀行であって、いわゆる中位行に属するが、従前から六〇歳定年制を採っていたため、五〇歳定年制を採る他行に比し年齢構成が高く、また、人件費率、行員一人当たりの預金量や経常利益等の経営指標も劣位であった。そこで、Yは、そうした状況の改善等...
《解 説》
一 松江市は、昭和四九年三月、松江圏都市計画事業北部土地区画整理事業の計画を立て、昭和五二年一二月、X所有の本件従前の土地(以下「本件土地」という。)について仮換地を指定した。
Xは、昭和六三年一二月、本件土地を訴外A会社に対し、代金七九九〇万円で売却したところ、Aは、平成元...
《解 説》
一 本件は、Aの遺族であるXらが、AはYから受けた暴行による頭蓋骨骨折等が原因となって死亡したと主張して、Yに対し、Aの死亡に基づく損害賠償を求めたものである。Xらが、Yの暴行とAの死亡との間には因果関係が認められると主張したのに対し、Yは、Aは暴行を受けた後、入院先での転倒が...
《解 説》
一 Xは、平成五年三月当時、小学二年生であったが、同月一七日朝、下腹部痛、睾丸部痛等を訴えたため、Yの経営する診療所を訪れ、Yの診察を受けた。そして、Xは、Yから鎮痛剤等の服用の指示を受けて帰宅し、同薬剤を服用したが、痛みが止まらないため、Yに対し電話で指示を仰いだが、薬の服用...
《解 説》
本件は、イトマン株式会社(当時の商号は伊藤萬株式会社)がゴルフ場の建設・運営会社に対して二〇〇億円の融資を行ったことについて、イトマンを吸収合併した原告が、当時の代表取締役社長である被告に対し、融資に当たっては、適切な事前調査等により融資先の信用状態を的確に把握するとともに、融...
《解 説》
一 原告両名は、会社代表者個人と会社であるが、個人は、別紙商標公報記載のとおり「HAPPY WEDDING」、「just married」なる文字を用いた商標につき商標権(以下「本件商標権」という。)を有し、会社がその個人から許諾を受けてこれらと同一又は類似の標章を付した酒類を...
《解 説》
一 本件は、楽曲「どこまでも行こう」(甲曲)の作曲者であるX1及びその著作権の譲受人であるX2が、楽曲「記念樹」(乙曲)は甲曲の編曲(著作権法二七条)に係るものであると主張して、乙曲の作曲者であるYに対し、X2において編曲権侵害による損害賠償を、X1において著作者人格権(同一性...
《解 説》
一 本件事案の概要
本件は、古くからその土地(商業地域)に住んでいる住民が、自宅の南側、目の前への、巨大高層マンションの建設は、日照権を奪う旨抗議して、その住宅展示場付近道路で、建設反対のプラカードを掲げ、ビラを配布したところ、建設業者が、名誉を毀損されたとして、その表現の差...
《解 説》
一 本件は、世界的大流行となった育成型電子玩具である「ファービー」という人形の模倣品を販売した卸売業者及びその役員が、著作権法違反(一一九条一号、一一三条一項二号、一二四条一項一号)で起訴され、そのデザイン形態の著作物性が争われた刑事事件である。一審判決(山形地判平13・9・2...
《解 説》
一 本件は、中国人労働者が、太平洋戦争中に中国から日本国内の水力発電所建設工事現場へ強制連行され、過酷な強制労働に従事させられ、耐え難い肉体的精神的苦痛を被ったとして、その中国人労働者のうち生存者三名、死亡者二名の遺族が、当該建設工事施工業者の被告会社に対し、損害賠償を請求した...