最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、いわゆる薬害エイズ刑事事件のうち元厚生省薬務局生物製剤課長に対する業務上過失致死被告事件の判決である。薬害エイズ刑事事件では、本判決に先立ち、既に元ミドリ十字社長らに対する大阪地判平12・2・24本誌一〇四二号九四頁(ミドリ十字事件)及び元帝京大学副学長に対する東...
《解 説》
一 本件は、仮執行宣言付判決の上訴審係属中、金銭を供託する方法による担保を立てて強制執行停止決定を得たYが破産宣告を受けたことから、破産管財人が、担保の事由が消滅したとして、担保取消しの申立てをし、担保取消決定が出されたという事件である。Xらが即時抗告をしたが、原審は、本件にお...
《解 説》
一 本件の被告花子は、甲田太郎の戸籍上の妻であり、原告は、太郎と同居していた者である。太郎は、被告全国労働者共済生活協同組合連合会(以下「被告全労災」という。)との間で、自己を共済契約者兼被共済者とする個人定期生命共済(こくみん共済)契約(以下「本件共済契約」という。)を締結し...
《解 説》
一 本件本訴請求は、X(本訴原告兼反訴被告)が、著書「浮世絵春画一千年史」(以下「本件著作物」という)につき、Y1及びY2(いずれも出版社で、本訴被告兼反訴原告)と出版契約を結び、Y3(デジタルワーク技術者)に収録写真のデジタルワーク処理を担当させたところ、Y1ないしY3が無断...
《解 説》
一 Xは、各種放射線測定機械器具の販売及び輸出入を業とする会社であるが、競業会社であるY1はXにかつて従業員として在籍していたY2・Y3を通じて不正に取得した営業秘密を用いて営業活動をしていると主張して、同じくXの元従業員であるY4を含むYら四名に対し、不正競争防止法二条一項四...
《解 説》
一 本件の概要は次のとおりである。
控訴人の子が自動車を購入するに際して被控訴人との間で立替払契約を締結し、その立替金支払債務について控訴人が連帯保証した。その後、控訴人の子について破産宣告がなされ、免責許可決定も確定したが、その免責申立てと前後して控訴人も破産申立てをし、破...
《解 説》
一 本件は、宿泊棟及び研修棟という外観上二棟の建物が二本の渡り廊下で連結されているという構造のホテルにおいて、被告人が無人の研修棟に放火したという事案について、従業員及び宿泊客が現在した宿泊棟及び研修棟とが全体として一個の現在建造物を構成するとして現在建造物放火罪での起訴がなさ...
《解 説》
一 本件は、現職の中学教師であった被告人が、テレホンクラブを通じて知り合った中学一年生(一二歳)の女子生徒をいわゆる援助交際と称する買春の対象とした上、催涙スプレーをその顔面に噴き付け手錠を掛けるなどして自動車内に監禁し、畏怖した被害者をして高速道路を疾走中の同車から飛び降りさ...