最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
本件は、当時九歳の小学生女児を略取すると共に逮捕監禁し、そのまま同女を約九年二か月にわたり自宅内に監禁し続け、その結果、同女に対し、両下肢筋力低下等の傷害を負わせた未成年者略取・逮捕監禁致傷の、また、監禁中に成長した同女に着用させるために下着四枚を窃取した窃盗...
《解 説》
第一 事案の概要
一 事実関係
1 Y(被告、被控訴人、被上告人)は、「船橋カントリークラブ」といういわゆる預託金会員制のゴルフ場(以下「本件ゴルフ場」という。)を経営している株式会社であり、X(原告、控訴人、上告人)は、本件ゴルフ場の特別会員、正会員及び平日会員によって組織...
《解 説》
一 本件は、抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告において、被差押債権の不存在又は消滅という実体上の事由を執行抗告の理由とすることができるかどうかが問題とされた事件である。
二 X(債権者。なお、Xは、債権管理回収業に関する特別措置法一一条に基...
《解 説》
一 本件土地については、従前、東京都知事が定める都市計画道路にそのごく一部が掛かるに過ぎなかったが、平成九年二月二四日の東京都知事の都市計画の変更により、そのほぼ全域に都市計画道路が掛かることとなっていたところ、原告は、右都市計画の変更の直後に、不動産仲介業者から本件土地を紹介...
《解 説》
一 本件は、ふくしま市民オンブズマンに属する福島県住民X1、X2が、福島県に代位して、福島県知事Y1、福島県議会事務局長Y2、福島県議会事務局総務課長Y3を相手に、請求の放棄により終了した前訴の住民訴訟(Y1、Y2、Y3に対し、全国都道府県議会議員軟式野球大会への議員の旅費を支...
《解 説》
一 本件は、診療所を経営する医療法人(Y)に対し、その元理事長・院長(X1・医師)と元理事・事務長(X2・非医師)とが、医療法人を自主退職したことに伴い職員退職金規程に従って退職金を請求したところ、YがXらに退職金請求権は存せず、そうでないとしても権利濫用であるとして争った事案...
《解 説》
第一 事案の概要
本件は、個人加盟方式の全国単一組織である労働組合(いわゆる単一組合)である被告東京管理職ユニオンの支部組合として発足した被告名古屋管理職ユニオンが、原告らが一体となって組合組織の統制を阻害する分派活動を行ったなどとして、被告東京管理職ユニオンと協議の上、原告ら...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
Aとの子であるXを懐胎していたBは、昭和六三年八月二〇日に陣痛が初来したためC病院に入院し、主治医であるY1から陣痛促進剤等の投与を受けたものの、分娩に至らなかったため、翌二一日にY2(国)が設置するD病院に転院したが、同病院において...
《解 説》
一 Xらは、Y1から土地付建売住宅をY2又はY3の不動産会社の仲介により購入したが、いずれも土地が軟弱地盤であったために地盤沈下が発生し、建物に不具合(床揺れ、床鳴り、床の変形、廊下の床と階段下との隙間、床の高低差、外壁の亀裂、ドアの開閉不能、サッシの開閉困難、駐車スペースのコ...
《解 説》
本件は、オフィスビルの賃借人であるX(被控訴人)らが、賃貸借契約終了に伴い、賃貸人であるY(控訴人)らに対し、預託保証金から約定の償却費、未払賃料等のほかXらが自認する原状回復費用を控除した残額の返還を求めたところ、これに対し、Yらが、反訴として、償却費、未払賃料等と原状回復費...
《解 説》
本件は、XらがYら(宗教法人法の華三法行及びその幹部)の行う足裏診断を受け、多額の研修費等を払って研修に参加したが、その足裏診断は、悩み事を抱えるXらに害悪を告知した上、Yらの教えに従えば害悪を回避し得ると断定するなど詐欺的・脅迫的なものであり、そのような手段を用いて、不相当に...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
X(昭和一六年生まれの女性)は、平成九年五月、他院から指摘された左眼球後腫瘍の確定診断を受けるべく、Y(国)経営に係る国立大阪病院(被告病院)脳神経外科に入院し、同月九日にA医師らからの説明を受けて当該腫瘍の種類を確定するための腫瘍組...
《解 説》
本件は、国立大学医学部付属病院に入院し、顔面痙攣の根治手術である脳神経減圧手術を受けたところ、間もなく脳内血腫等が発生し、これによって死亡したAの遺族であるXらが、手術担当医であるY1、Y2、及び国Y3に対し、術技上の過失及び説明義務違反等を理由に不法行為に基づく損害賠償を請求...
《解 説》
X1は、X2(母)・X3(父)間に出生した長男であり、X4はX1の祖母である。Yは、昭和一一年生まれの医師で、看護婦の資格を有しない妻のみを助手にして、産婦人科医院を経営し、無痛分娩を標榜し、帝王切開術は施行しないこととしていた。
本判決の認定によると、事実経過は大要以下のと...
《解 説》
一 本件は、X(妻)がY(夫、国家公務員)を相手として提起した離婚等請求事件の控訴事件であって、控訴審での主たる争点は、財産分与の額及び方法にあり、①Yが将来受給する退職手当の清算対象財産性、②Yが給料から支払っていた共済掛金の清算対象財産性が争われた点に特徴がある。
①につ...
《解 説》
一 本件は、Mの字を小さな突起のある丸で囲んだ図形と、その右に、「mosrite」の欧文字を横書きにしてなる商標につき商標権を有する原告が、これと類似する標章を付したギターをアメリカから輸入し、販売していた被告に対し、商標権に基づく差止め等の請求をした事例である。
二 本件で...
《解 説》
一 Xは、パチンコ型スロットマシン(以下「パチスロ機」という。)業界において、特許権等の工業所有権及び著作権(以下「特許権等」と総称する。)を保有する者から再実施許諾権付きで実施許諾を得て、パチスロ機製造業者に対して有償で再実施許諾して、その実施料を特許権者等に還元することを業...
《解 説》
一 宗教法人霊友会が昭和五三年三月七日に文部大臣から規則変更の認証を受けた規則(宗教法人法一二条一項によって制定が必要的とされる宗教法人の内部規範)においては、会長が霊友会を統理し、教務、会務に関する最高指導者であると規定されている。霊友会の創始者の実子である久保継成は父の死後...
《解 説》
一 本件の本案事件は、麻疹・おたふく風邪・風疹の三種混合ワクチンであるMMRワクチンの予防接種後に死亡又は重篤な障害を発症した幼児及びその親権者らが、死亡又は障害はワクチン接種の副反応によるものであるとして、MMRワクチンの製造販売を承認した国及びワクチン製造メーカーを被告に損...
《解 説》
一 事案の概要
控訴人は、A社の債権者であるが、A社等を債務者とする不動産競売事件の配当期日において、配当表上、A社の債権者の一人とされている金融業者の被控訴人に対し、同人の配当要求に係る貸付金債権(本件貸付金債権)は実体のない仮装のものであるとして、配当異議の申出をした上、...
《解 説》
一 本件の事案の概要は以下のとおりである。
Aは、更生会社Bに建物(以下「本件建物」という。)の建築を請け負わせ、平成五年一一月一五日ころ、その引渡しを受けた。AとBは、その際、本件建物の構造躯のうち、上部構造の水平維持機能を担っている基礎について、構造強度に重大な影響を及ぼ...
《解 説》
一 本判決は、当時小学四年生の児童に対する殺人被告事件(札幌児童殺人事件)の控訴審判決である。昭和五九年一月一〇日午前、札幌市豊平区の自宅にいた本件児童は電話で呼び出されて外出しそのまま行方不明となった。捜査は難航したが、昭和六三年六月被告人が住んでいた農家の納屋からその児童の...