最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、小田急小田原線のうち、東京都世田谷区内である喜多見駅付近から梅ヶ丘駅付近までの線増連続立体交差事業(小田急小田原線とそれに交差する複数の幹線道路との立体交差化及び小田急小田原線の複々線化の事業)に関して、沿線住民である原告らが、事業の方式につき優れた代替案である地下...
《解 説》
一 本件は、自動車同士の交通事故で受傷したAがその後死亡したので、Aの地位を相続したその妻及び両親であるXらが、加害者であるYに対し、民法七〇九条及び自賠法三条を理由として、本件事故によりAらが被った損害の賠償を求めた事件である。本件においては、Aの後遺障害による逸失利益を算定...
《解 説》
一 本件は、平成一二年六月二五日に行われた衆議院議員総選挙のうち小選挙区選挙の東京都第九区の選挙人であるXが、平成六年に改正された公選法の衆議院議員選挙の仕組みに関する規定について、選挙区割りが投票価値の平等を侵害すること、候補者届出政党に属する候補者とそうでない候補者の間に選...
《解 説》
一 本件事案の背景
奈良県は、いわゆる官々接待に対して全国的に広まった厳しい世論の批判を受け、平成九年六月に「食糧費調査委員会」を設置し、官々接待に限ることなく、奈良県東京事務所の平成六年度から平成八年度までの食糧費の執行状況を調査し、不適法とされた支出約二億円余りを財団法人...
《解 説》
本件の原告らは、神奈川県内の郵便局に勤務する郵政職員であるが、平成三年、関東郵政局が発出した胸章着用要綱に基づき胸章の着用が指導されるようになったにもかかわらず、これを着用しなかった。この胸章は、所属局、課、役職、氏名(姓のみでもよい)が記されたいわゆるネームプレートである。原...
《解 説》
一 本件は、いわゆる商工ローン会社であるXが、Yに対し、A社を主債務者、保証限度を五〇〇万円とする連帯根保証契約に基づく保証債務の担保として振出された額面五〇〇万円の約束手形金の支払いを求めたのに対し、Yは、錯誤無効、信義則による責任の制限の抗弁を主張した事案である。
二 本...
《解 説》
一 本件の関係土地の位置関係は別紙図面1(=判文中の別紙図面三)、関係建物の位置関係はおおむね別紙図面2(=同四)のとおりである。甲のもと所有土地(旧八〇番三の土地)は、順次別紙図面1の八〇番一六の土地及び八〇番一七の土地(=被告所有土地。それぞれ被告店舗、第一アパート〔現在は...
《解 説》
一 本件は、漁業協同組合が漁業権設定海域でダイビングをするダイバーから徴収する潜水料が不当利得になるかどうかが争われた事件であって、先に本誌九二五号二六四頁で紹介した控訴審判決の破棄差戻し後の控訴審判決である。
二 事案の内容と訴訟の経過は以下のとおりである。
Yは、昭和二...
《解 説》
一 被控訴人は、控訴人所有の五階建てビルの屋上に広告物を三年間にわたり設置させて貰う契約をして、その広告物を設置した。このビルは大阪市内の中心部で高速道路のすぐそばに位置していた。広告は主として、高速道路を自動車で進行する人に見て貰おうという目的であった。ところが契約後一年二ヶ...
《解 説》
一 証券会社であるYは、Xの委託により株式を売買したが、Xから引渡しを受けた株券は盗難届が出されている事故株券であることが判明した。ところで、Yが会員である東京証券取引所における取引に関する「事故株券及び権利の引渡未済の処理に関する申合」(昭和二四年一二月一〇日実施)では、株式...
《解 説》
一 本件は、Y1が開催したスキューバダイビング未経験者を対象とする講習会において、その海洋での講習会場に泳いで向かう途中で溺水し、重篤な後遺障害を負った受講生Xが、主催者Y1及び講師Y2に対し、損害賠償を請求する事案である。Xは、①Y2は常に受講生の動静を注視し、受講生に異常が...
《解 説》
一 Aは、自動車を運転中に他車に衝突され、頸椎捻挫、腰部捻挫等の傷害を負ったが、その後外傷性てんかんの症状が現れ、抗てんかん剤の投与を受けていたところ、事故から四年後の本件訴訟係属中にてんかん重積により死亡した。本件は、右事故に関する損害賠償請求事件である。本件における争点は多...
《解 説》
一 本件は、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の特許権を有するXがYに対し、被告補助参加人Zが製造し、Yが販売している青色発光ダイオード(LED)チップ(Y製品)がXの上記特許権に係る二つの発明(本件発明)の各技術的範囲に属するものであり、その販売はXの特許権の侵害行為に当たる...
《解 説》
一 本件では、Xらを含む数十名(委託者兼受益者)が、それぞれ不動産(マンションの一室)の共有持分を不動産の販売会社であるAから購入し、これを一括して信託銀行であるY(受託者)に信託してその管理を委ね、共有持分割合に応じて受益者が収益を受領するという不動産信託契約が各受益者とYと...
《解 説》
一 本件は、被告人が同僚のホステスを殺害し、現金や家財道具などを奪ったといういわゆる松山ホステス殺人事件の控訴審判決である。
二 原審では被告人に強盗殺人の故意があったかが争点となったが、原判決はこれを認めて、被告人を無期懲役刑に処した。これに対し、被告人が控訴し、控訴審では...
《解 説》
一 本件は、暴力団幹部、その配下の組員、漁業関係者らが、共謀の上、営利の目的で、覚せい剤を本邦に輸入しようと企て、公海上において、船籍不詳の船舶から覚せい剤を受け取って漁船に積載した上、これを本邦の領海内に搬入し、漁港の岸壁に接岸した後、陸揚げしようとしたが、警察官が漁港付近で...
《解 説》
一 ①事件は、原告が被告に対し、無償旅客自動車運送事業経営に係る届出をしたところ、被告が届出書を不受理として返付したため、原告がその取消しを求めた抗告訴訟であり、②事件は、①事件の原告が、①事件に係る届出が有効であることを前提として、同届出に係る事業に使用するための自動車の新規...