最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「法」という。)三条に基づいてぱちんこ屋営業の許可を受け、パチンコ店を営業していたXが、客が同店に設置する大型のスロットマシン(通称沖縄スロット)で得たメダルと賞品との交換についての交換比率(メダル一〇枚と交換)と...
《解 説》
一 本件は、県知事から、産業廃棄物の安定型最終処分場(三〇〇〇㎡以下)を筑紫野市の山林(Xの所有地)に設置することを条件として産業廃棄物処分業の許可を得ているX(被控訴人)が、右土地に設けた産業廃棄物最終処分場への産業廃棄物運搬のために、右処分場に通じる林道高原線を管理するY(...
《解 説》
本件は、千葉県八千代市で職員に対する勤勉手当の一部を定額支給したことを違法として、市長に対して、全定額支給額一八七三万円余りの損害賠償請求をしたものである。
八千代市の条例では、勤勉手当は、職員の勤務成績に応じて支給すると定められている(八千代市一般職員の給与に関する条例二三...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、訴外川崎市(以下「市」という。)から被告に対してされた二筆の公有地(以下「本件各土地」という。)の売払契約(以下「本件各売払契約」という。)が、被告の元代表取締役Aから市の用地部長Bに対する賄賂(Aの贈賄罪及びBの受託収賄罪につき、いずれも有罪・実刑判...
《解 説》
一 原告は、昭和四七年に被告金庫に入社し、事務職員として勤務していたが、昭和六二年四月一日、被告金庫においてコース別人事制度が採用されたことに伴い、総合職を選択し、以後総合職として勤務してきた者である。本件で原告は、同期同学歴の男性社員との昇格の差は、被告金庫による男女差別によ...
《解 説》
一 X(原告・控訴人)は、平成元年八月一日、就業規則がなく定年制の定めもなかったYと労働契約を締結し、入社後直ちに営業部長の地位に就いたが、Yは、平成二年七月二一日、従業員の定年は六〇歳とし、定年に達した日の翌日をもって自然退職とするとの規定を置いた本件就業規則を制定した。Xは...
《解 説》
一 上告人と被上告人銀行との間では、従前からトラブルがあったので、被上告人銀行本店は全支店に対し、上告人から預金口座設定の依頼を受けても預金口座を設定しないように通知を発し、その通知は窓口担当者に伝達された。上告人は被上告人銀行京都支店で預金口座の設定を申し込んだところ、窓口担...
《解 説》
一 Aは、Xとの間で根抵当権設定契約を締結し、A所有の本件土地に根抵当権設定登記をした。YはAに対し、本件土地の所有権移転登記の抹消登記手続請求訴訟を提起し、Aは第一回口頭弁論期日において請求を認諾した。この訴訟は「登記原因の無効又は取消による登記の抹消又は回復の訴えが提起され...
《解 説》
Xらは、本件マンションの区分所有者の一部であり、それぞれその敷地に共有持分権を有する者である。昭和五九年に本件マンションを新築分譲したA社は、同マンションの敷地が公道からやや奥まった位置にあったため、右敷地に隣接するA社所有地(本件係争地)を、本件マンションの区分所有者らに対し...
《解 説》
一 本件の事案はやや複雑であるが、判示事項に関する部分を簡略化すると、次のとおりである。
訴外Aは、本件マンションの敷地及びその隣接地を一体として所有していたところ、Y1会社と相談の上、右敷地部分にマンションを建設して区分所有権の一部を自己に留保し他を分譲するとともに、敷地部...
《解 説》
一 訴外A信用組合は、昭和六〇年一〇月、Y1との間で、Y1所有の本件土地につき根抵当権の設定契約を締結し、その旨の登記を経由したうえ、信用組合取引等を行っていたが、Xは、平成八年三月、Aから、AのY1に対する貸付金債権等の譲渡を受け、本件根抵当権移転の付記登記を経由した。
そ...
《解 説》
一 本件各不動産は、もともとX1X2とその母であるAが共有していた(当時のAの持分二分の一)が、Y1は、平成六年五月三一日、AがY1に対し自己の持分について根抵当権を設定する旨の契約証書に基づき、本件各不動産のAの持分に根抵当権設定仮登記を経由した(右の契約証書の作成日付は平成...
《解 説》
一 A(金融機関)はYに対し①②二口計六一〇〇万円貸し付け(①は代理貸付)、XはYから保証委託を受けAとの間でYの各貸金債務を連帯保証した。Aは、Xに対し、Yが延滞した計四八五五万円余の支払いを請求した。その後、AはBに債権譲渡をしたので、XはBに対してYの貸金連帯保証債務を有...
《解 説》
一 X1X2(いずれも広告代理店であり、代表取締役は甲)は、Yから俳優養成学校の開校・生徒募集についての新聞・雑誌広告の制作・掲載の(X1)、車内広告の制作・掲載の(X2)、各注文を請け負い、これを実施した。Yは、いずれ俳優養成学校経営の運営母体として法人を設立するが、それまで...
《解 説》
一 Xは脚本家であり、Yは映画プロデューサーである。Yは、劇場用映画の製作を企画し、Xに対し、脚本の作成を依頼した。Xは脚本第一稿を書き上げ、Yとの間で脚本料を三五〇万円と合意し、脚本(検討用)を渡したが、三五万円しか支払わない。そこで、Xは、Yに対し、請負契約(脚本家契約)に...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
Y1及びY2は、いずれも日本国有鉄道(国鉄)職員であり、また全国鉄動力車労働組合(全動労)の組合員であったところ、昭和六二年四月一日に実施されたいわゆる国鉄改革に当たって、北海道内で勤務できる北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)ないし...
《解 説》
控訴人会社は、元従業員ら三名が設立した被控訴人会社に対し、右三名が、①在職中から控訴人会社の取次店を横取りすることを計画して実行したこと、②控訴人会社の取次店二店に対し、この二店との間の競業禁止条項の違反行為を惹起せしめて勧誘し、この二店との契約関係を失わせたこと、③控訴人会社...
《解 説》
一 Xは、昭和五八年四月、産業医を育成するために設立されたY大学に入学し、平成元年三月に卒業、同年五月に医師免許を取得したが、在学中、Yの修学金貸与制度(以下「本件貸与制度」という。)により、七一八万四〇〇〇円の貸与を受けた。しかし、本件貸与制度では、卒業後一定年数をYが指定す...
《解 説》
一 訴外Aは、平成六年六月当時、高校三年生(一七歳)であったが、同月二九日夜、近くの高校生らであるYら七名から生意気だなどと因縁を付けられ、近くの小学校に呼び出されたうえ、集団で殴る蹴るなどの暴行を受けたため、翌三〇日、右暴行に起因する硬膜下出血により、入院先の病院において死亡...
《解 説》
一 事実の概要は、以下の通りである。
平成六年六月二五日、Aは交通事故によって負傷して、Y病院に搬送され、医師の治療を受けたが、実は腸管損傷を起こしており、翌二六日に開腹手術を受けたものの、その後容態が悪化して死亡した。Aの相続人であるXらが、不法行為ないし債務不履行を主張し...
《解 説》
一 訴外Aは、平成八年一〇月、アルコール依存症、精神分裂病、肝障害等の治療のため、Yの開設経営する病院に入院し、治療、看護、介護を受けていたが、平成九年三月、病室において、窓の格子にシャツを通して首を吊り、死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、Aには、抑うつ状態がみられる...
《解 説》
一 原告は被告旅行業者の主催旅行である「グアテマラとホンジュラスの旅一一日間」を申し込んだ。被告のパンフレットには、この旅行につき、「東京発着」、「大阪名古屋発着同一料金」、最終日の日程は「16:10東京18:20―大阪19:35」と記載されていた。しかし、被告旅行業者は最終日...
《解 説》
一 本件は執行官の手数料の額が争われた事案である。Xは、土地の引渡命令を債務名義として、執行官に対し土地引渡しの強制執行を申し立てた。A執行官はXの代理人とともに現地に臨場したが、動産類が多数置かれており、作業員の手配等が必要なため、その日は動産類の搬出に着手せず、続行期日を指...
《解 説》
一 Xは、マンションの販売を目的とする不動産業を営む会社であり、東京地裁八王子支部の競売において、分譲高層マンションを建築する計画をもって立川市富士見町内の本件土地と同地上の建物を代金二億六三一八万九〇〇〇円で買受けたが、本件土地は、立川飛行場の滑走路の延長線上に位置し、航空法...
《解 説》
一 いわゆる地下鉄サリン事件の発生後、公安調査庁長官は、破壊活動防止法に基づいてオウム真理教に対する解散指定請求をしたが、被告(公安審査委員会)は、平成九年一月、「今後ある程度近接した時期に、継続又は反覆して暴力主義的破壊活動に及ぶ明らかなおそれがあると認めるに足りるだけの十分...
《解 説》
一 本件は、依頼者が弁護士に対し、支払った金員の返還及び委任契約上の債務不履行に基づき損害賠償を求める弁護過誤訴訟である。
X(大正一二年生、看護婦)は、Aに老人ホーム建設の協力を持ち掛けられ、金員を貸し付けたが、これには実体がなくAに騙されたものであった。また、Aが他から借...