判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.1029


  • 建築関係訴訟の審理の在り方について

  • <関西家事事件研究会報告5>離婚給付額の裁判基準

    小田八重子   

    裁判官に対するアンケ-ト調査の結果報告

    引用形式で表示 総ページ数:18 開始ページ位置:31
  • <世界の司法-その実像を見つめて12>ロ-スク一ルにおける法学教育と法曹養成

    古河謙一   

    サザン・メソジスト大学を例にして

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:49
  • <民事実務研究>情報技術(IT)革命時代の民事裁判実務

    吉川愼一    星野充広   

    大阪地方裁判所 第三民事部C係における協働体制の実践報告

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:56
  • <銀行実務と民事裁判427>民法三八八条の要件に関する一事例

    大西武士   

    最二小判平11・4・23金法1555号53頁

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:68
  • 続・民事裁判における経験則(6)

    後藤勇   

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:75
  • <判例批評>傷害保険あるいは生保災害関係特約の約款で定めるいわゆる「不慮の事故」における「急激かつ偶発的な外来の事故」であることの立証責任について

    木下賢治   

    福岡高判平10・1・22判タ982号256頁

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:88
  • 《解  説》
     一 Xら四六名はいずれもフィリピンの女性であり、第二次世界大戦中に日本の軍人らによりフィリピンで強制的に連行、監禁されたうえ性的暴行を受けたと主張し、日本国Yに対してそれぞれ二〇〇〇万円(合計九億二〇〇〇万円)の損害賠償を求める訴えを提起した。Xらの主張する請求の原因は、第一に...

    引用形式で表示 総ページ数:24 開始ページ位置:96
  • 《解  説》
     一 本件は、いわゆる東京電力OL強盗殺人事件の第一審判決である。被害者の特異な行状が一部マスコミに大々的に報道され、マスコミの倫理性が問題とされたのであるが、被告人は、死体が発見されたアパートに隣接するビルに居住していたネパール人であり、その犯人性を巡って検察側と弁護側が捜査段...

    引用形式で表示 総ページ数:18 開始ページ位置:120
  • 《解  説》
     一 はじめに
     本件は、オウム教団科学技術省次官の地位にあった被告人が、教祖や多数の教団幹部らと共謀の上、無差別大量殺人を企図して、朝の通勤時間帯に、東京都内の地下鉄車内に化学兵器であるサリンを発散させ、一二名の乗客や営団地下鉄職員を殺害するとともに、多数の者に重軽傷を負わせた...

    引用形式で表示 総ページ数:21 開始ページ位置:138
  • 最高二小平12.3.17判決

    《解  説》
     一 本件は、大阪府知事Yが宗教法人Aに対し墓地、埋葬等に関する法律一〇条一項に基づいてした墓地経営の許可(本件許可)について、右許可に係る墓地(本件墓地)の周辺に居住等するXらが、その取消しを求めた事案であり、Xらの原告適格の有無が本案前の争点となった。
     二 墓地、埋葬等に関...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:159
  • 最高一小平12.3.9判決

    《解  説》
     一 本件は、Y社に雇用され長崎造船所において就業していたXらが、始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するなどと主張して、Y社に対し、右着脱等に要した時間について割増賃金の支払を求めた事案である。
     二 Y社長崎造船所にお...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:161
  • 最高一小平12.3.9判決

    《解  説》
     一 本件は、Y社に雇用され長崎造船所において就業していたXらが、始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するなどと主張して、Y社に対し、右着脱等に要した時間について割増賃金の支払を求めた事件の控訴審判決に対するXらの上告に係...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:164
  • 名古屋高金沢支平10.12.16判決

    《解  説》
     一 本件は、富山県民であるXがY(富山県代表監査委員)に対し、県職員の空出張の有無等を調査する目的で、富山県情報公開条例(本件条例)に基づき、富山県監査委員事務局の平成六年度の出勤簿(本件出勤簿)の開示を請求したところ、Yが平成八年三月二一日付けでその全部について非開示とする旨...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:168
  • 京都地平10.11.18判決

    《解  説》
     一 Xは、京都市内に住所を有する弁護士であるが、京都市公文書の公開に関する条例(平成三年京都市条例一二号。以下「条例」という。)に基づき、Y(市長)に対し、Yが平成八年二月施行の市長選挙に当選した後、市の費用負担により送付した市長就任あいさつ状(以下「本件あいさつ状」という。)...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:172
  • 《解  説》
     本件財産区は、その所有する溜池を市に売却し、市の定めた財産区財産取扱要綱等(条例に根拠を置くものではない)に従って、売却代金(三〇億八六〇〇万円)の三〇パーセントを市の一般会計に繰り入れ、残りの七〇パーセント(二一億六〇二〇万円)を、地元で結成された財産区協議会(法令に根拠のな...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:176
  • 名古屋地平11.5.12判決

    《解  説》
     一 本件は、愛知県知事が平成元年一二月に行った愛知県地方労働委員会の第三〇期の労働者委員の任命(本件任命)について、原告組合らが推薦する候補者である原告ら四名を任命しなかったのは違法であるとして、推薦者である原告組合及び被推薦者である原告ら四名が、被告愛知県に対しては国家賠償法...

    引用形式で表示 総ページ数:17 開始ページ位置:189
  • 《解  説》
     一 Xらは、平成2年2月27日Y2銀行から一時払保険料を借り入れ、Y3信用保証会社との間で保証委託契約、根抵当権設定契約を締結した上、平成2年3月1日Y1生命保険会社との間で三口の変額保険契約を締結した。これは、Xらとしては、相続税対策のつもりであった。Xらは、Y1の従業員Aか...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:206
  • 静岡地浜松支平10.12.22判決

    《解  説》
     一 静岡県浜松市所在の本件土地はYの所有であり、本件土地上には軽量鉄骨造スレート葦平屋建工場(従前建物)が建てられていたが、昭和五八年にXがYから従前建物を賃借する際、従前建物の外壁を取り払って屋根を葺き替え、土間の上にコンクリートを張り、従前建物の柱を二本ばかり残して軽量鉄骨...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:215
  • 《解  説》
     一 Xは、平成七年六月、土木建築の設計・請負業者であるYとの間で、自宅建物の建築工事請負契約を締結し、Yに対し、契約金として一〇三万円を支払ったが、同年一〇月、右請負契約は、合意解除されたとし、契約金一〇三万円の支払を求めた。
     これに対し、Yは、右合意解除の事実を否認し、Xは...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:219
  • 《解  説》
     一 本件は、原告との間でクレジットカード利用契約を締結していた被告のクレジットカード(以下単に「本件カード」という。)が、原告の提携先の現金貸出機に挿入され、その際、被告が原告に届け出た暗証番号が一回で正しく入力されて現金が引き出された記録があるとして、原告が主位的に金銭消費貸...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:222
  • 《解  説》
     本件は、銀行が個人顧客に、保証会社の連帯保証を得た上で、カードを貸与し、顧客は、カードを窓口で提示するか、自動支払機に挿入して暗証番号を入力することにより、無担保で簡易に金融を受けられる、いわゆるカードローンに係るカードが、顧客から盗取され、銀行の自動支払機から貸金の支払がなさ...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:226
  • 春日井簡平11.12.27判決

    《解  説》
     本判決は、Xの飼い犬が、Yの飼い犬に咬まれて死亡した場合に請求できる犬の価格と慰謝料額等が争われた事件である。
     近年、ペットブームを反映してペットに関する様々なトラブルが発生しているが、民法七一八条ただし書きの「相当ノ注意」、損害賠償の範囲、特にペットの時価額と慰謝料が争点に...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:233
  • 福岡地平11.11.10判決

    《解  説》
     一 本件は、被告の外務員の利益保証、元本保証、断定的判断の提供を伴う投資勧誘を信じて金員を預託した原告らが、右外務員は預託を受けた金員を自らの投資の損失の穴埋め等に費消し元金の返還の見込みの全くないまま投資勧誘をしたもので、右の詐欺行為により損害を受けたとして、被告に対し、使用...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:237
  • 《解  説》
     一 Xは、昭和四七年以来、東京都渋谷区内で美容外科等を診療科目とする診療所を開設している医師である。Xは、開業時からYに入会していたが、Xの税金の申告に不正があったことが発覚した後の昭和六三年三月に自らYを退会していた。その後、Xは平成五年一二月に再びYに入会を申し込んだが、Y...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:243
  • 《解  説》
     X1及びX2は、Y(統一協会)の信者によるYへの違法な献金勧誘行為により損害を被ったとして、民法七一五条(使用者責任)又は同法七〇九条(Y自体の不法行為責任)に基づき、X1において献金額相当の二一〇万円と弁護士費用四九万円の合計二五九万円、X2において受講料相当の一〇万円、献金...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:250
  • 《解  説》
     Xは徳島県内にある宗教法人であるが、昭和三三年以降、神奈川県川崎市内に公園墓地春秋苑を経営している。Xの代表者であったAは、商品取引市場における売買等を業とするY社の社員の勧誘を受け、平成元年三月、自己名義で粗糖を買い建て、商品先物取引を開始した。Aは、同年一一月、Xの責任役員...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:254
  • 《解  説》
     一 被相続人A(農業)は、平成元年二月、Aの全財産をY(被告、控訴人)に贈与する旨の自筆証書遺言をして、平成四年八月、死亡した。Aの相続人は、Aの長男であるY(高等小学校を卒業して農業に従事)、及び同次男、三男、四男であるX1、X2、X3(原告、被控訴人)の三名(高校を卒業して...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:259
  • 《解  説》
     本件は、冠婚葬祭贈答用品を製造する会社であるXが、X本店所在地にあったX使用の建物が火災によって滅失し(以下「本件火災」という。)、建物内にあった商品等が焼失したため、Y1及びY2(いずれも保険会社)との間で締結したX所有の商品等を目的とした店舗総合保険契約(以下、一括して「本...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:264
  • 《解  説》
     一 本件は、韓国製のテレホンカードに用いる、「ウォーターマーク・テープ」(透かしの意)と称する特殊な磁性体配列を有する記録用磁気テープ(以下「本件磁気テープ」という。)を製造、販売しているXが、本件磁気テープについて著作権を主張して、Yに対し、Yが製造する磁気テープの原反の製造...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:271
  • 《解  説》
     一 本件は、阪神淡路大震災により損壊した区分所有建物につき、建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という)六一条五項に定める決議がなされ、右決議に反対した原告らが決議に賛成した被告らに対し、原告ら所有の区分所有建物の買取を求め、法の定める「時価」の意義等につき争われた事案であ...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:276
  • 《解  説》
     Xは遊技場の経営等を目的とする会社であり、新たにパチンコ店を開設するための適地を探していたところ、本件土地一六筆を紹介され、現地を見て気に入った。X代表者と仲介業者N社の社長は、平成六年四月下旬、本件土地売却の窓口であるというK社の社長Iと面談したところ、Iは、本件土地のうち一...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:284
  • 《解  説》
     Xは、株式会社Aの代表取締役であり、Aの発行株式総数一四万株を個人として有していたが、これをY弁護士に管理目的で信託した。XはYに対し、①Yが右株式のうち五万株をXに無断で別居中のXの妻Bに贈与したこと、②AのXに対する架空の債権に基づき九万株の引渡請求権を差し押さえさせ、競売...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:288
  • 《解  説》
     1 本件事案の概要は次のとおりである。X(前訴原告・再審被告)は、平成八年六月、Y(前訴被告・再審原告)に対し、貸金の支払を求めて支払命令の申立てをした。裁判所は、支払命令を発付したが、これに対しては、異議申立てがされた。このため、支払命令は、通常訴訟に移行した(前訴事件)。裁...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:295
  • 《解  説》
     一 Y(銀行)は、平成一一年六月二九日、第一一一期定時株主総会(以下「本件総会」という。)を開催し、「退職取締役及び退任監査役に対し退職慰労金贈呈の件」と題する議案(以下「本件議案」という。)を承認する旨の決議(以下「本件決議」という。)をした。
     しかし、Yの株式一〇〇〇株を...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:299