最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、行政書士である被告人が、業として、前後一七回にわたり、福島地方法務局郡山支局等において、代理人として、有限会社変更登記等一七件の登記申請手続を行ったことが、司法書士法違反に問われた事案である。
被告人は、一審以来、①司法書士以外の者が他人の嘱託を受けて登記に関する...
《解 説》
一 Xは、Aを父としBを母として、両者の婚姻中に出生したが、その後両者は協議離婚した。一方、AとZとの間には非嫡出子であるCがいる。
Aの死亡後、Y(信用金庫)の支店に存在したZ名義の預金(本件預金)について、預金者はAであり、本件預金はAの相続財産に属すると主張して、Xが、...
《解 説》
一 本件の事案の概要は、次のとおりである(なお、詳細については、判文を参照されたい。)。
1 宗教法人日蓮正宗の被包括宗教法人Yの寺院規則では、代表役員は、日蓮正宗の管長(法主)の任命する住職を充てることとされていたところ、Xは、昭和四一年にYの住職に任命されてその代表役員と...
《解 説》
一 訴外会社は、被告から本件保養所を賃借することなどを内容とする本件契約を締結し、訴外基金に対し本件保養所を利用させる契約を締結したが、被告が訴外基金との間で本件保養所の利用契約を直接締結したため、訴外基金は訴外会社との契約更新を拒絶した。被告と訴外会社は、本件契約により生じた...
《解 説》
一 本件の本案訴訟は、親子電話装置(本件機器)を購入し利用している原告らが、本件機器にしばしば通話不能になる瑕疵があるなどと主張して、被告に対し、債務不履行等に基づく損害賠償を請求する事案である。被告は、本件機器の売主は被告ではない、本件機器に瑕疵はないなどと主張する。一審判決...
《解 説》
一 本件は、主要道から農家に通じる私道上で、駐車中の自動車内から、道路脇のたんぼに降りていたキジを狙って散弾銃を発射した行為が、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(以下、「鳥獣保護法」という。)一六条が禁止する「人家稠密ノ場所」における銃猟に当たるとして起訴された事案であり、発射場所が...
《解 説》
一 原告は、被告愛知県司法書士会所属の司法書士である。被告は、昭和四〇年から、定額の会費の他に、会員に対し印紙台紙を販売し、この売上げを特別会費として共済資金や会館建設費用等にあてていた。右印紙台紙頒布による会費は、平成二年から会則による制度となり、平成六年に、一定の事件につき...
《解 説》
一 本件は、がけ崩れのおそれなどがある土地についてされた開発許可の取消しを求めて、その対象地域の近隣に居住する住民が提起した取消訴訟である。
なお、本件は、差戻後の判決であり、差戻前第一審(横浜地判平6・1・17民集五一巻一号二七一頁に参考掲載)及び控訴審(東京高判平6・6・...
《解 説》
一 本件は、警察官が大阪の繁華街において普通乗用自動車の運転者に職務質問を行おうとしたところ、運転者は前車を押しのけたうえ通行人を跳ねつつなお逃走したため、警察官が運転者に対して発砲して運転者を死亡させた場合に運転者の両親が府を相手に国家賠償請求した事案である。
二 本判決は...
《解 説》
一 本件は、A町の住民であるXらが、A町が第三セクター(以下「本件会社」という。)に対し、二回にわたり合計九億五五〇〇万円の出資をしたことが、地方自治法二三二条の二の「公益上必要がある場合」に該当しない等の違法な支出であるとして、当時の助役及び収入役に対し、地方自治法二四二条の...
《解 説》
一 本件は、福井県吉田郡松岡町の住民X1ないしX3が、地方自治法(以下「法」という。)二四二条の二第一項四号に基づき、町長Aによる町有地(以下「本件土地」という。)と道路予定地との交換契約(以下「本件交換契約」という)の締結が違法であるとして、土地を交換したBに対する本件土地の...
《解 説》
一 Xは、Y(宅地建物取引業者)との間で不動産媒介契約を締結し、Yの仲介によりAとの間で借地権付建物の売買契約を締結し、手付金を支払った。右売買契約には、地主Bの借地権譲渡につき書面による承諾が得られることが停止条件とされていた。この段階で、XはYに対し報酬金の内金を支払った。...
《解 説》
一 本件は、証券会社であるYを通してワラント及び投資信託を購入したXが、Yに対し、適合性原則違反、説明義務違反等を理由に、不法行為及び債務不履行に基づき損害賠償請求をした事案である。
争点は、①適合性原則違反、説明義務違反等の有無、②損害額など事実認定上の問題も存するが、ここ...
《解 説》
一 Y1は、平成六年九月、訴外Aから金員を借り受けるに当たり、Aに対し、本件建物について抵当権を設定してその旨の登記を経由するとともに、右貸金の債務不履行を条件とする条件付賃借権を設定し、賃借権設定仮登記を経由した。ところが、Y1は、右貸金の返済をしなかったため、平成七年二月、...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Y(被告)は,ゴルフ場会社Mが建設し開場予定のゴルフ場(以下「本件ゴルフ場」という)の会員権を、Xクレジット会社(原告)との間で締結した割賦購入あっせんクレジット契約(以下「本件契約」という)を利用して取得した。ところで、本件ゴルフ場は平成...
《解 説》
一 ピースボートは、昭和五八年から毎年客船をチャーターしてアジア各国に船を出し、「過去の戦争を見つめ未来の平和をつくる」というスローガンの下に、現地の人々との交流を深める運動を進めている市民団体であり、原告らは、ピースボートの主催者団として、平成六年六月六日に東京晴海を出航し同...
《解 説》
一 Xは、訴外A会社に勤務し、平成四年一二月、東京都目黒区内の建築工事現場において作業中、Y1会社の従業員であるY2と些細なことから揉み合いとなり、Y2に地面に投げつけられたため、脳挫傷等の重傷を負った。
そこで、Xは、加害者Y2に対しては民法七〇九条により、Y1会社に対して...
《解 説》
本件は、不動産競売手続実行停止の仮処分申立事件において仮処分債権者Aに代わり、代理人Yが支払保証委託契約を締結する方法により担保を立てた場合において、右仮処分が異議により取り消され、仮処分申立てが取り下げられ、実質的債権者であるとされるXから不法仮処分を理由とする損害賠償請求訴...
《解 説》
一 Y2は、Y1が所有する普通自動車を運転し、青森県弘前市内の交差点を右折しようとした際、自転車に乗って横断歩道を走行していたX(一九歳の男子大学生)の右側面に衝突し、Xはボンネット上に投げ出され、頸部、腰部打撲等の傷害を受けたが、骨折、脳外傷の所見はなく、整形外科的には約一か...
《解 説》
一 訴外Aは、平成元年六月、Yの設置する病院において、乳ガンの手術を受け、また、同年八月、大腸ガンの手術を受け、同病院において術後の療養を受けていたが、肝不全、黄疸等が著名となり、同年九月、死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、同病院の医師には、(一)抗ガン剤を投与するに...
《解 説》
一 本件は、医療過誤訴訟であり、ポリープの除去手術に伴いなされるべき療養方法の指導、説明義務を怠った等として損害賠償請求をした事案である。
二 本判決は、被告が、腹痛等を訴えた原告に対し、内視鏡的ポリペクトミー(大腸ファイバースコープによるポリープ摘出術)を施術し、原告は右手...
《解 説》
一 本件は、Aの相続人である原告らが、被告に対し、被告の設置するB病院に勤務していたC医師が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下「MRSA」という。)感染症を発症していたAに対し、適切な処置を行わずに冠状動脈バイパス手術及び左心室瘤除去手術(以下「本件手術」という。)をなし、ま...
《解 説》
一 本件は、県立高校の二年生であったX1が運動会での大将落としの騎馬戦において発生した事故によって傷害を負い、後遺症が残ったとして、X1及びその両親X2、X3が、Y(福岡県)に対して、債務不履行(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償を求めた事案である。
二 本判決は、事故の内容...
《解 説》
一 Xは、群馬県前橋市内に所在する本件建物で旅館業を営んでいた会社であるが、平成八年五月三日に本件建物より火災が発生し、本件建物とその家財の全てが焼失した。
Xの代表者であるAは、Y1(保険会社)との間で、長期総合保険契約を締結し、またAの母Bは、Y2(保険会社)との間で、店...
《解 説》
Xは、その所有する建物についてY1生協との間で共済金額一五五〇万円の火災共済契約を、Y2弘済会との間で救済金額一一二〇万円の災害救済契約を締結していたところ、同建物が全焼したことを理由にY1に対して共済金を、Y2に対して救済金の支払を求めた。XとY1との間の共済契約の約款には、...
《解 説》
一 本件は、原告が作成したデータベース(タウンページデータベース)及び職業電話帳(タウンページ)には、それぞれデータベースの著作権及び編集著作権が認められ、被告によるデータベースの作成及び頒布が、原告の右各著作権を侵害すると主張して、原告が、被告に対し、被告のデータベース(業種...
《解 説》
一 Xらが申し立てた公示催告申立事件において、届出人から割引長期信用債券、割引興業債券、割引商工債券にかかる権利及び債券の提出があり、Xらは申立てにかかる債券と届出にかかる債券との同一性を認めず、届出人の権利を争ったところ、原審は、右債券の同一性を認めて、除権判決申立てを却下し...
《解 説》
一 本件の事案の概要は以下のとおりである。まず、貸金業者Yが訴外会社Zに対し、平成四年から一〇年にかけて七六回にわたり、Zが貸付金額を額面金額とした手形をYに交付するのと引換えに、Yは利息金を天引した額をZに交付し、支払については手形満期日に手形を決済して弁済するという方法で貸...
《解 説》
一 本件事案の概要は、以下のとおりである。被告人は、平成元年一二月の深夜に仕事帰りの本件被害者に声をかけるなどした後、同女を強姦し、その際全治約二週間を要する頚部縊創等の傷害を負わせた上、金品在中のショルダーバッグ一個を窃取し、更にその数日後、右事実を種に金員を喝取しようとした...
《解 説》
一 X(原告・反訴被告・控訴人)は、大手企業に勤務する者であるが、訴外A会社の代表者から、A会社が個人の金融業者Y(被告・反訴原告・被控訴人)より一〇〇万円を借り入れるについて保証人となるよう依頼された。Xは、契約日に、Yと面談したうえ、表題に根保証契約書と記載され、極度額とし...
《解 説》
一 本件は、「FM信号復調装置」に関する米国特許権を有するXが、Yの日本国内における行為がXの米国特許権の間接侵害行為(米国特許法二七一条(a)、同条(c))に当たると主張して、Yに対し、Y製品を米国に輸出する目的で我が国で製造する行為、Y製品を米国に輸出する行為、及び子会社そ...