建物全体の所有者である賃貸人が,その建物のうち専有部分である物件1及び同2をホテル事業を営む賃借人に賃貸し,物件2は,転借人及び再転借人に適法に転貸され,その引渡しもされたが,その後,賃貸人が,賃料等の不払を理由にその賃貸借契約を解除して,物件1及び同2の明渡し,滞納賃料,賃料相当損害金等の支払を求めたところ,物件2については,転借人が,自己を本人,再転借人を代理人とする占有代理関係を消滅させたとはいえず,明渡義務及び共同不法行為責任を免れないが,物件1については,転借人及び再転借人が,その引渡しを受けておらず,使用収益の分配に預かっていないから,賃借人と連帯して共同不法行為責任を負わないと判断された事例